FDA 感染性胃腸炎の11病原菌検出の検査キットを承認
公開日時 2013/01/23 04:00
米食品医薬品局(FDA)は1月15日、感染性胃腸炎の病原菌であるカンピロバクター、病原性大腸菌O157、ノロウイルスなど11種類の細菌やウイルスなどを検出可能な多重核酸検査キット(multiplexed nucleic acid test)「xTAG Gastrointesitinal Pathogen Panel(GPP)」の販売を承認した。xTAG GPPは、米Luminex社(本社・テキサス州オースチン)による製造。
xTAG GPPが検出可能な細菌は、カンピロバクター、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)毒素A/B、病原性大腸菌(E.coli)O157、エンテロトキシン産生大腸菌(ETEC)LT/ST、サルモネラ菌、赤痢菌、志賀毒素産生性大腸菌(STEC)stx 1/stx 2。またウイルスでは、ノロウイルスおよびロタウイルスA。寄生虫では、クリプトスポリジウムおよびランブル鞭毛虫(Giardia)。
感染性胃腸炎は、一定のウイルス、細菌、寄生虫などにより、嘔吐、下痢などの症状を引き起こし、乳幼児、高齢者、免疫力の低下した患者などでは重症化の恐れがある。感染性胃腸炎は、対人接触、病原菌に汚染した水、食物などの摂取などで容易に感染が拡大する。
FDA医療機器・放射線医学保健センター(CDRH)のAlberto Gutierrez体外診断薬・放射線医学部長は、「xTAG GPPのような検査キットは、1つの標本で同時にウイルスや細菌、寄生虫を検出可能なため、医師が直ちに胃腸炎の原因突き止め、治療に専念できる」と同検査キットのメリットを評価した。さらに、「併せて、臨床医や公衆衛生の専門家に感染性胃腸炎の潜在的大流行を迅速に予測・調査させることが可能だ」と同キットの活用により感染性胃腸炎流行防止の手段となることへの期待感も示した。
米疾病管理センター(CDC)は、米国では、感染性胃腸炎関連で、1999年から2007年の間に、毎年約7000人から約17000人の死亡例を報告している。同死亡例のうちノロウイルスおよびクロストリジウム・ディフィシレが病原とする感染性胃腸炎による死亡例が3分の2に達しているという。