中外製薬 15年までの新中計発表 重要テーマに「営業生産性の向上」

公開日時 2013/01/31 04:00
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中外製薬は1月30日、15年までの3カ年中期経営計画を発表した。「大きな環境変化の中で、業績予想をピンポイントで示すのはミスリーティングになる」(小坂達朗社長、写真)として売上高などの数値目標を示さず、新中計を「2010年代後半にトップ製薬企業像を実現するための第2ステップ」(同)と位置づけ、課題に取り組む姿勢をアピールする内容。重要課題として4つを挙げ、最初に「営業生産性の向上」を掲げた。小坂社長は、地域の実臨床の支援を重視したディテールの強化とそのための体制の構築、最先端のICT(情報通信技術)の活用に取り組むとし、専門MRとジェネラルMRの体制についても再検討する考えを示した。

 
2010年代後半に描くトップ製薬企業像とは、がんなど戦略領域でトップ、「国内シェア」「営業利益率」「MR1人当たり生産性」でトップ3に入るイメージという。それに向けた重要課題として「営業生産性の向上」「グローバル開発の加速」「革新的プロジェクトの連続創出」「経営基盤のさらなる強化」--を挙げ、着実な取り組みで成長を図る。新中計期間中は、関節リウマチ薬アクテムラ、抗がん剤アバスチン、腎性貧血治療薬ミルセラ、骨粗鬆症治療薬薬エディロール、ほか抗がん剤などの新製品を軸に成長を図る。
 
MR体制「反省期に」
 
成長に向けた重要課題に掲げる同社のMR1人当たり生産性は2億円弱(本誌調査)。トップ3には2割前後の引き上げが必要になる計算。「営業生産性の向上」に向けた取り組みついて小坂社長は、製品力の強化とともに「MRが重要なのは言うまでもない」と強調。取り組みの方向について「製品戦略と顧客戦略を融合させるのが大きなポイント。本社の製品のマーケティング戦略を、支店で顧客にいかに届けていくか。もう1つは、がん専門MRを導入し専門性高いMRと、ジェネラルMRの体制で7年やって反省期に入っている。それぞれメリット・デメリットがあり、このあたりを見直していく」と述べ、より実臨床の支援を重視したディテールを強化する意向を示した。併せて、地方と都市部の地域性、専門性、推進される在宅医療などを考慮し「柔軟で効率的なMR体制」を検討したいとした。
 
営業におけるICT活用も高度化させる考えを示した。訪問規制や接待規制、透明性ガイドラインなどでMR活動に規制がかかる一方で、ネット経由で情報を入手する医師ら医療者も増えていることから、「現在もeマーケティングをやっているが、もっと画期的なものはないか、担当者をジェネンテックに送り込んで米国の最新のICTマーケティングを勉強しているところ。暗中模索ではあるが、何か革新的なICTマーケティング・プロモーョンを考えていきたい」と話した。
 
12年度決算 ミルセラ増収に寄与も計画を118億円下回る 中外側は市場浸透に自信
 
同日は、12年12月期通期(1~12月)決算も発表された。薬価改定の影響があったもものの、抗がん剤アバスチンや、11年発売の骨粗鬆症治療薬エディロール、腎性貧血治療薬ミルセラの寄与のほか、開発品の導出などの一時金収入などで増収増益となった。
 
この中でミルセラの売上高は、119億円増の178億円だが、計画296億円を118億円下回る結果になった。エポジンの減少も補うことはできなかったが、第1四半期30億円から見ると加速感もうかがえる。戸早正昭営業本部長は、臨床データが蓄積され、特長の月1回投与の定着や保存期における優位性も固まってきたことを強調。今後は保存期のシェア獲得に注力していく姿勢を見せた。13年度は282億円を計画する。
 
アクテムラは、薬価改定に伴う再算定25%引き下げで、大きなハンデを背負って2.3%減の171億円で、数量増で補った形。しかし生物製剤の競合は激化の一途で、その中で、13年度は11.7%増の191億円を計画した。田辺三菱のレミケードを筆頭に既に主要製品では11年度で既に200億円以上に成長している中で控え目な計画となった。13年度は、アバスチンやミルセラ、エディロール、アクテムラなどで増収増益を目指す。
 
13年中は、アクテムラ皮下注製剤、HER2陽性転移・再発乳がん治療薬ペルツズマブ(海外名:PERJETA)、骨粗鬆症治療薬「RG484」(月1回注射、海外名:BONVIVA)、抗がん剤タルセバの肺がんのファーストライン適応--の承認を期待する。
 
【連結実績(前年度比)】
売上高 3912億2000万円(4.7%増)
営業利益 764億1300万円(22.4%増) 
経常利益 754億0600万円(18.6%増)
純利益  482億0500万円(36.8%増)
 
国際会計基準(IFRS)適用
【連結実績(前年度実績と前年度比) 13年度予想(前年度比)】
売上収益  3866億円 (3721億円、3.9%) 4160億円(7.6%増)
営業利益  756億円 (658億円、14.9%)  775億円(2.5%増)
※13年度からIFRS任意適用のため
 
【主要製品の国内売上(前年度実績) 13年度予想、億円】
がん領域   1561 (1419) 1754
アバスチン  655(564)766
ハーセプチン 287(259)304 
リツキサン  247(229)263 
ゼローダ   109(100)139
タルセバ    95(83) 110 
ノイトロジン  88(94) 94 
 
骨・関節領域  663(662) 543
アクテムラ   171(175) 191
エビスタ    161(185)-
スベニール   123(130) 132
アルファロール  81(112)  67
エディロール   79(13)  110
 
腎領域    481(507) 520
ミルセラ   178 (59) 282
エポジン   145(288)  86
オキサロール123(122) 127
 
移植・免疫・感染症領域 203(228) 181
ペガシス   69(83) 57
コペガス   20(33) 12
セルセプト  65(57) 67
 
その他領域  301(338) 296
シグマート   95(111)  89
 
海外       423(396) 561
アクテムラ  256(205) 408
ノイトロジン139(156) 132
 
タミフル   120(87) 88
うち行政備蓄等19(33)  8
 
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