中医協・薬価 ネクサバールなど原価計算3成分に新引き上げルール適用
公開日時 2008/03/26 23:00
中医協は3月26日の総会でバイエル薬品の抗がん剤ネクサバールなど14成分21
品目の薬価収載(4月18日予定)を決めた。08年度改定に伴う新算定ルールの
対象となる。類似薬のない新薬の薬価を決める原価計算方式で算定された8成
分のうち、薬剤に革新性がある場合に原価に含まれる営業利益率に上乗せする
ルールが3成分(ネクサバール、レバチオ、リコモジュリン)に適用された。
ネクサバールは根治切除不能または転移性の腎細胞がんを適応しており、既存
のインターフェロン治療に比べ増悪や生存期間に改善がみられたことなどから
平均営業利益率(19.2%)に20%上乗せし、薬価を1錠5426.20円とした。10
年後のピーク時は51億2000万円(投与患者数1965人)と見通した。
ファイザーの肺動脈性肺高血圧症治療薬レバチオは、既存治療と比べて新たな
作用機序であることなどを評価し平均営業利益率に20%をプラス。薬価は20mg
1錠で1179.80円。4年後のピーク時には21億5000万円(1665人)を見込む。E
D治療薬バイアグラと同成分。
旭化成ファーマの汎発性血管内血液凝固症(DIC)治療薬リコモジュリンは、
新たな薬理作用で世界に先駆けて日本で開発された薬剤であることなどを評価、
平均営業利益率に30%上乗せした。薬価は12800単位1瓶3万8352円、8年後
のピーク時は102億4000万円(3万4000人)を見込む。
そのほか、原価計算方式で算定されたファイザーの禁煙補助薬チャンピックス
は0.5mg1錠132.60円、1mg1錠237.40円で、6年後のピーク時に67億6000万
円(30万9000人)を見込む。
類似薬効比較方式2で算定された大日本住友製薬の統合失調症治療薬ロナセン
の1日薬価は、錠剤580.00円、細粒剤559.50円で、8年後のピーク時に118億4
000万円(9万1000人)を見込む。グラクソ・スミスクラインの片頭痛治療薬
アマージは1日薬価900.30円。6年後には12億円(4万1000人)。