中医協総会 抗リウマチ薬アクテムラなど13成分の薬価収載を了承
公開日時 2008/06/04 23:00
中医協は6月4日の総会で中外製薬の抗リウマチ薬アクテムラなど13成分23品
目の薬価収載(6月13日予定)を決めた。メーカーによる市場規模予測では、
アクテムラが10年後に500億円(対象投与患者数3万8000人)とするほか、塩
野義製薬と大日本住友製薬の6番目のARBイルベタン/アバプロが486億円(11
5万1000人)、アボットジャパンの抗リウマチ薬ヒュミラが388.9億円(2万24
00人)、ファイザーの抗がん剤スーテントが140.9億円(3018人)と、大型化
を見込む製品が目立った。
スーテントは、根治切除不能または転移性の腎細胞がんとイマチニブ抵抗性の
消化管間質腫瘍(GIST)が効能・効果。バイエル薬品の抗がん剤ネクサバール
を薬価算定上の比較薬とした結果、イマチニブ抵抗性のGISTに有効であること
などが評価され有用性加算2(5%)がつき、12.5mg1錠が8546.3円となった。
ノバルティスファーマの慢性鉄過剰症治療薬エクジェイドは原価計算方式で算
定。既存の注射用鉄キレート剤での治療が難しい患者の新たな治療選択肢にな
ることが評価され、原価に含まれる営業利益率に上乗せするルールが適用され
た。平均営業利益率(19.2%)に10%上乗せした結果、125mg1錠1161.60円、
500mg1錠4624.30円となった。10年後のピーク時には113.3億円(3940人)を
見込む。
ノーベルファーマの月経困難症治療薬ルナベルとシェリングプラウの高インス
リン血性低血糖症治療薬アログリセムもともに原価計算方式での算定。それぞ
れ4年後に18.2億円(2万人)、2年後に1.01億円(210人)としている。
バイエル薬品の抗がん剤セヴァリンイットリウムと同インジウムも原価計算方
式での算定だが、企業側の自主申告により原価に含まれる平均営業利益率を大
幅に引き下げ、それぞれ6.5%とした。イットリウムはCD20陽性の再発または
難治性の低悪性度B細胞性非ホジキンリンパ腫とマントル細胞リンパ腫の治療
に使われ、インジウムはイットリウム投与後の集積部位の確認に使用される。
イットリウムは1セット253万3477円で3年後のピーク時は6.9億円、インジウ
ムは1セット178万7490円で3年後に4.9億円(ともに273人)を見込んでいる。
万有製薬のHIV治療薬アイセントレスは、新規の作用機序などから有用性加算
1(40%)、希少疾病用医薬品のため市場性加算1(10%)がついた。1日薬
価は3020.80円で、10年後のピーク時に40億円(3600人)を見込む。同剤は4
月30日に薬食審医薬品第二部会を通過し、6月下旬に予定される薬事承認後速
やかに収載する予定としている。