アガルシダーゼ ファブリー病女性の腎機能、心機能を改善
公開日時 2009/06/18 23:00
大日本住友製薬は6月18日、酵素製剤のアガルシダーゼ(商品名:リプレガル)をファブリー病の女性に投与したところ、腎機能や心機能の安定化、改善効果が得られたと発表した。「Genetics in Medicine」の6月号に掲載された。
ファブリー病は、ライソゾームにある酵素の欠損により、代謝されるべき脂質が体内に蓄積する疾患。激痛、灼熱痛、皮膚病変、胃腸障害、視覚障害など数多くの症状が現れる。観察研究では、単施設でファブリー病女性36人に、アガルシダーゼ0.2mg/kgを用いた酵素補充療法を行い、4年間追跡した。その結果、対象患者の90%以上で腎機能の安定化や改善がみられたほか、左室肥大や心不全による臨床症状の改善が認められたという。疾患重症度や疼痛が軽減し、患者のQOL(生活の質)への有用性も示されたという。副作用は1例にみられた。
著者は、試験の患者集団を一般のファブリー病患者に置き換えることはできないと断った上で、「何らかの兆候や症状を持ったファブリー病女性患者に対しては、アガルシダーゼアルファによる酵素補充療法を考慮すべき」と結論づけているという。
アガルシダーゼは、遺伝子活性化技術を用いてヒト培養細胞から産生されたヒト型アルファガラクトシダーゼ酵素製剤。欧州、カナダ、日本など世界40ヵ国で承認されているが、米国では未承認。