第一三共 国内後発品市場に参入へ 新会社を4月設立
公開日時 2010/03/01 04:01
第一三共は2月26日、日本の後発品市場に参入するため4月1日付で「第一三共エスファ」(以下、エスファ)を設立すると発表した。20人規模で立ち上げ、10月から製品販売を始める。取り扱う製品は後発品のほか、使用法や副作用プロファイルが確立した第一三共の長期収載品の一部も扱う。エスファの営業体制は今秋までに構築する。基本的にエスファの営業部門が情報提供活動や販促を行うが、副作用など緊急の場合は第一三共本体もサポートする。売上計画は2015年頃に500億円。
エスファの後発品には第一三共独自の品質管理基準を準用し、「品質」を担保する。製品供給は第一三共本体を通じて卸に販売する。また、抗体医薬などのバイオシミラーについては「グループ全体で検討していく」という。第一三共グループは後発品大手のランバクシー・ラボラトリーズを持つが、日本国内の後発品事業はエスファのみが行い、ランバクシーは後発品の開発や製造などのサポートにまわる。
社名にある「エスファ」は、「エスタブリッシュト」と「ファーマシューティカル」の造語。同社では、「エスタブリッシュト」について、医療機関や薬局で幅広く使われる後発品や、市場で広く使用されている第一三共の長期収載品と定義づけている。
エスファの代表取締役会長は髙田龍三・現第一三共取締役専務執行役員、代表取締役社長は玉井伸正・現第一三共医薬営業本部副本部長兼営業企画部長――が就任する予定。髙田氏は69年に第一製薬に入社し、高松支店長、大阪支店長、医薬営業本部長などを歴任後現職。玉井氏は71年に第一製薬に入社し、福岡支店長や学術政策部長などを歴任後現職。
第一三共グループでは、新薬やOTC、ワクチン事業などに取り組んでいるが、ここに後発品も加えることで、「さらに幅広い医薬品事業を展開していく」としている。