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武田薬品 細胞培養インフルエンザワクチン事業化へ

公開日時 2010/09/01 04:00

 武田薬品は8月31日、細胞培養による新型インフルエンザワクチンを事業化し、開発、製造、供給に向けて取り組むと発表した。細胞培養によるワクチン製造は、鶏卵を用いた製造では約半年程度かかるといわれる鶏卵による製造の半分以下の期間に短縮することも可能とされ、注目されている技術。同社は、ヴェロ細胞培養技術を用いた製造技術をもつ米バクスターから技術導入することで基本合意しており、武田として製造基本技術を確立する考え。実生産施設を山口県の光工場内に建設する方針で、2012年半ばの完成を目指す。

武田薬品は、百日咳やジフテリアなど小児用ワクチンを製造・販売し、デンカ生研のインフルエンザワクチンの供給も担っている。09年度の売上高は182億円。今回の事業化の発表にあたり長谷川閑史社長は、「新型インフルエンザワクチンは国家としての急務であり、国内における新型インフルエンザワクチンの臨床開発、技術移管、製造方法の確立を進め、1日でも早く社会へ供給し、製造企業としての社会的使命を果たしてまいります」とコメントしている。

細胞培養ワクチンについては、8月17日にアステラス製薬が、UMNファーマ(秋田市、金指秀一社長)が開発するインフルエンザワクチンの日本での共同開発、独占的販売権を獲得することで基本合意したと発表している。ワクチン事業をめぐっては、第一三共も北里研究所と合弁会社を設立し、事業の強化に乗り出している。
 

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