住友ファーマ ユニバーサルインフルエンザワクチン事業化へ 「ワクチン・アジュバント事業化室」を新設
公開日時 2026/06/02 04:51
住友ファーマは6月1日、現在開発中のユニバーサルインフルエンザワクチン「fH1/DSP-0546LP」(開発コード)の事業化に向け、「ワクチン・アジュバント事業化室」を7月1日付で新設すると発表した。fH1/DSP-0546LPの事業化に係る機能や活動を一元的に統括し、戦略的かつ機動的に活動できる体制を整備する。
7月以降、同社常務執行役員R&D本部担当などを務める佐藤由美氏が「ワクチン・アジュバント事業化」も担当する。現在ワクチン事業担当シニアオフィサーを務める福島晃久氏がワクチン・アジュバント事業化室長に就任する。
◎独自アジュバントを添加した次世代型ワクチン 欧州P1中間解析で交差反応性を確認
fH1/DSP-0546LPは、幅広いインフルエンザウイルスに対する効果が期待される膜融合型ヘマグルチニン抗原(fH1)と、免疫応答の量、質および持続性を高める同社独自技術のTLR7アジュバント(DSP-0546LP)を組み合わせた次世代型ワクチン。
従来のインフルエンザワクチンは、ウイルスの抗原変異により効力を失う。このため、毎年流行株にあったワクチン株の選定・製造・接種が必要で、新型インフルエンザに迅速に対応することが難しい。これに対しfH1/DSP-0546LPは、種類の異なるインフルエンザへの幅広い防御効果が非臨床研究で認められ、今年2月には、欧州第1相臨床試験の中間解析で、A型インフルエンザの複数の亜型に対する交差反応性(=異なるウイルスの亜型に対して広く免疫が働くこと)が確認された。この効果にはTLR7アジュバントの添加が関係しているとみられている。
◎木村社長 27年1~3月に欧州でヒト感染チャレンジ試験開始 提携先や導出先も検討
同社の木村徹代表取締役社長は5月13日の2025年度決算説明会で、欧州P1の中間解析結果を引き合いに、「非常に広い範囲のインフルエンザウイルス、しかも世の中に今存在していないような変異のウイルスに対しても効くワクチンになる可能性がある」と高い期待を示した。
そして、27年1~3月を目途に欧州でヒト感染チャレンジ試験を行うとともに、提携先や導出先を検討する方針も示した。ヒト感染チャレンジ試験(CHIS)は、開発中のワクチンを投与した健常者を意図的にインフルエンザに感染させ、感染予防効果や重篤度を評価する試験で、Human Infection試験とも呼称される。木村社長は、「このHuman Infection試験が今後の一番のトリガーになるデータ」と位置付けており、同試験の重要性を指摘している。