米ファイザー インスリン製剤のGE品でBiocon社からライセンス取得 新興市場を強化
公開日時 2010/10/28 04:00
米ファイザーは、このほどインドのムンバイ証券取引所に上場しているバイオシミラー企業・Biocon社(本社・カルナータカ州バンガロール、Kiran Mazumdar-Shaw議長)とインスリン製剤やインスリンアナログ製剤のジェネリック品のライセンスを取得すると発表した。今回の提携を通じて価格などの問題からインスリン治療が浸透していない新興市場で糖尿病領域でのプレゼンス強化を図りたい考えだ。
提携でファイザーは現在Biocon社が有するヒト遺伝子組換えインスリン、インスリングラルギン、インスリンアスパルト、インスリンリスプロのジェネリック4製品について基本的に全世界での独占的販売権を取得する。ただし、ドイツ、インド、マレーシアではBiocon社との共同販売権となるほか、既にBiocon社からこれらの製品の販売権を得ている企業がある国では、当該会社との併売となる。なお、臨床開発や製造、承認申請・取得はBiocon社が担当する。
ファイザーはBiocon社に最大で2億ドルのアップフロント・ペイメントのほか、臨床開発や承認取得に応じた最大1億5000万ドルのマイルストーン・ペイメント、販売に応じたロイヤリティーを支払う。
今回の提携についてファイザー社のエスタブリッシュド・プロダクト事業部門プレジデントのDavid Simmons氏は「Biocon社との提携でより多くの糖尿病患者に対して魅力的で費用対効果の高いオプションとしてインスリン関連製剤のバイオシミラーを提供できるようになることに加え、我々がバイオシミラーと糖尿病領域で強力なプレイヤーになることを支持するものとなる」と評した。
Biocon社は1978年設立で、従業員数約2580人。現在Biocon社が有するヒト遺伝子組換えインスリンは27カ国で承認を取得しており、このうち23カ国では販売も行われている。最新の年商規模は米ドル換算で約5億4600万ドル。アメリカの経済誌「フォーブス」がアジア太平洋地域を代表する売上高10億ドル以下の企業の中から優良企業200社を選出する「Best Under A Billion」の09年版にノミネートされたこともある。インド国外ではアメリカニュージャージー州、イギリス・ロンドン、アラブ首長国連邦・アブダビに代表事務所を有している。