スイス・サンドは、スロベニアに無菌製剤の製造を行うバイオシミラー製造センターを建設する。4億4000万米ドルを投資し、スロベニアにおける継続投資額は2029年までに総額11億米ドル超となる予定。同社は「自社製造能力への継続的な投資を通じ、完全統合型の欧州バイオシミラーハブ構築を目指す」としている。サンドの日本法人が７月７日、邦訳を発表した。

工場建設について、同社は「今後10年間で特許満了による価値が2220億米ドルに達すると予測される、かつてなく大きなバイオシミラー市場における重要な機会を捉えるための戦略的計画の一環」としている。新工場では、バイオシミラー注射剤製造に注力し、無菌注射製剤の調製、充填、組立、包装の各工程に加え、品質管理のためのラボも設置予定。スロベニアですでに進行中のバイオシミラー原薬製造センターとバイオシミラー開発センターへの投資に加えて自社製造能力のさらなる強化を図るとしている。

同社のグレン・ゲレッケ最高製造・供給責任者（CMSO）は「スロベニアでのバイオ製造への投資により、グローバルサプライチェーンにおける管理能力、迅速かつ柔軟に対応する機動力を強化する」とコメント。リチャード・セイナーCEOは「サンドが今後10年の前例のないバイオシミラーにおける市場機会を捉えるためのさらなる大きな一歩となる」と強調した。