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【ASHリポート】ASCT後のレナリドミド維持療法 病態進行リスクを減少 TTPを有意に延長

公開日時 2010/12/10 06:01

 多発性骨髄腫(MM)の自家造血幹細胞移植(ASCT)後のレナリドミド維持療法は、プラセボ群に比べ、病勢進行リスクを60%も減少させ、患者背景にかかわらず、無増悪期間(TTP)を有意に延長させる。Roswell Park Cancer InstituteのPhilip L. McCarthy氏が5日、米国血液学会(ASH)2010年次総会のオーラル・セッション「Clinical Results-Autologous Transplantation:Multiple Myeloma」で報告した。


McCarthy氏の報告は米国国立癌研究所(NCI)の資金援助でEastern Cooperative Oncology Group(ECOG)と血液・骨髄移植臨床試験ネットワーク(BMT CTN)、CALGBによる共同研究の第3相無作為化二重盲検試験「CALGB 100104」の結果に基づく第3報。


CALGB 100104は05年4月から2009年7月までの間に、(1)70歳未満(2)DSステージ1-3(3)2サイクル以上の初期治療実施し、病勢が安定しているか改善(4)治療歴12ヶ月未満(5)CD34細胞2×106(10の6乗)/kgの基準を満たした造血幹細胞移植の既往を持たない47施設のMM症例568人を登録。全ての患者はメルファラン200mg/m2投与後にASCTを実施。移植後90~100日の時点で病態の進行が認められない場合に、レナリドミド10mg/日またはプラセボに無作為に割付、病勢増悪あるいは重篤な有害事象が確認されるまで投与を継続した。病勢進行など様々な理由で登録を除外され、最終的に無作為化割付の対象となったのはレナリドミド群231例、プラセボ群229例の合計460例。両群間で年齢、性別、β2ミクログロブリン量2.5 mg/L以上の患者割合といった患者背景に差はなかった。観察期間の中央値は17.5ヶ月。


◎レナリドミド群で有意にイベント発生頻度が低下


病勢進行や死亡といったイベントが確認されたのは、レナリドミド群46例、プラセボ群95例であり、レナリドミド群で有意にイベント発生頻度が低かった(P<0.0001)。推定ハザード比は0.40で、レナリドミド投与により病勢進行・死亡などのリスクは60%低減したと考えられた。


両群の推定TTP中央値はプラセボ群21.8ヶ月に対し、レナリドミド群42.3ヶ月であり、レナリドミド群では有意にTTPが延長していた(p<0.0001)。また、この結果はβ2ミクログロブリン量のレベルや、初期治療でレナリドミドあるいはサリドマイドの投与歴の有無にかかわらないものだった。その一方で、両群間で全生存期間(OS)に有意差はなかった。


個別の有害事象では、好中球減少がレナリドミド群43%、プラセボ群9%(p<0.0001)、血小板減少症がレナリドミド群13%、プラセボ群4%(p=0.0009)、その他の感染症がレナリドミド群16%、プラセボ群5%(p=0.0012)でレナリドミド群が有意に高かった。


◎リスクベネフィットの点からもASCT後の維持療法は有効-McCarthy氏


McCarthy氏は「レナリドミドではいくつかの血液毒性は報告されているが、これらは重篤なものではなく、全有害事象での脱落率は12%程度である」と語り、リスクベネフィットの点からもレナリドミドによるASCT後の維持療法の有用性の高さを強調した。

 

(訂 正)「個別の有害事象では、末梢神経障害が」とあるのは、「個別の有害事象では、好中球減少が」の誤りでした。訂正します。(訂正済み)

 

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