武田薬品 アルツハイマー発症リスク予測バイオマーカー開発へ 米社から導入
公開日時 2011/01/12 04:02
武田薬品は1月11日、健常高齢者のアルツハイマー型認知症(AD)の発症リスク予測バイオマーカーとなる可能性がある「TOMM40アッセイ」について、同マーカーを発見した米国のジンファンデル社(ノースカロライナ州)と、全世界で開発、製造、使用、商業化する独占的ライセンス契約を締結したと発表した。両社は今後、同マーカーの検証を行う。5年以内にADのリスクが高い高齢者を特定できる可能性があるという。
契約により武田は、一時金として900万ドルをジンファンデル社に支払う。また、開発マイルストンとして最大で7800万ドル。ほか、販売マイルストン、ロイヤリティも発生する。武田は、同マーカーの検証を行うとともに、ADの発症リスクが高い高齢者を対象に、ピオグリタゾン(2型糖尿病治療薬アクトスの活性成分)の臨床試験も実施するとしている。臨床試験の内容について武田は開示していないが、同剤による予防、進行抑制効果をみるものとみられる。
ADの治療では、より早期に発見することで病状の進行を早期の段階で遅らせることができ、患者と家族のQOLを改善するといわれる。このバイオマーカーが実用化されれば、将来的にごく早期での治療に加え、予防への道も開く可能性がある。