ファーマライズホールディングスは9月3日、調剤薬局業界で初めて経産省の「オレンジイノベーション・プロジェクト」に採択されたと発表した。同プロジェクトは、認知症になってからも自分らしく暮らし続けられる社会実現を目指し、認知症当事者が企業や社会と主体的に関わる「当事者参画型開発」の普及と、その持続的な仕組みの実現に向けた取り組みを推進する。同社グループは今回の採択を受け、①オンラインと対面の両方で参加できる仕組みの整備、②地域薬局を活用したアクセス性の向上、③参加者同士の交流を促進するプログラムの企画・実施－に取り組む。

同社グループは、認知症の方が安心して参加できる場づくりを目指し、全国約400か所の薬局ネットワークを活用した認知症カフェの取り組みを進めている。より親しみやすく、幅広い年代の方々に気軽に足を運んでいただけるようにという想いを込め、同社グループのキャラクターである「ニャーマライズ先輩」にちなみ「カフェにゃーまらいず」と名付けた。

今回の採択を受け同社グループは、認知症当事者の声を直接聞きながら、他の参画企業とも連携し、より参加しやすく、楽しく、安心して過ごせるカフェのあり方を共に検討する方針だ。具体的には、「いつもの薬局」が認知症支援の場に変わる新しいモデルの検討や、オンラインと対面のハイブリッド型認知症カフェの展開、認知症当事者との対話を重視したサービス設計、他企業との連携による共創型の支援体制などを視野に入れている。薬局が地域の健康拠点として機能する未来を見据え、認知症支援に限らず、予防医療や多職種連携の推進にも力を入れたい考え。