ヤクルト本社 新規の多発性骨髄腫・大腸がん治療薬導入 日本で開発へ
公開日時 2011/03/10 04:01
ヤクルト本社は3月9日、ドイツのエテルナゼンタリス社が抗がん剤として開発しているペリフォシン(一般名)について、日本で独占的に開発・商業化する契約を締結したと発表した。海外では大腸がん多発性骨髄腫の治療薬として第3相試験が行われており、日本でも同様の適応でヤクルト本社が開発を進める予定。今後の開発計画は明かしていないが、阪本重善医薬本部長は「欧米での第3相試験のデータを適切かつ効率的に活用する」考えを示している。
同剤はPl3Kを通じてAkt活性を阻害することでがん細胞の増殖を抑える作用があると考えられている。欧米では多発性骨髄腫の適応についてはオーファンドラッグ指定を受けている。日本で指定申請をするかは未定という。
この契約に伴いヤクルト本社は、頭金600万ユーロ(830万ドル)を支払う。また承認申請に向けたマイルストーンに応じて最大4400万ユーロ(6090万ドル)を支払う可能性がある。売上高に応じて2桁台のロイヤリティを支払う。
同剤の導入は、主力のがん領域の強化が狙い。同社は2月22日にも、米のバイオベンチャーであるプロアクタ社が保有する不可逆的なマルチキナーゼ阻害型の抗がん剤「PR509」の共同開発と商業化について契約を締結したと発表していた。