脳梗塞の前兆とされるTIA 一般生活者の認知率はわずか5.8% サノフィ調査
公開日時 2011/04/25 04:01
サノフィ・アベンティスは4月22日、脳梗塞の前兆とされる一過性脳虚血発作(TIA)について、一般生活者618人を対象にした意識調査結果を発表した。「どんな病気かを知っている」「名前だけ知っている」との回答を「認知率」とした上で、脳梗塞の認知率は99.7%だったのに対し、TIAは5.8%にとどまった。一方で、片腕の力がだらんとぬける、舌がもつれるなど、加齢などに伴う一般的症状はあるものの、TIAとも考えられるこれらの症状を過去半年間に自覚したことのある人は13.3%となった。サノフィは、「TIAが疑われる症状を経験したとしても、それがTIAとの疾患名には結びついていない」などと指摘している。
調査は3月2日~4日に実施した。方法はオンライン調査。対象者は脳梗塞の既往がない福岡県在住の一般生活者で、40代、50代、60代以上で各206人、男女比も同数(309人ずつ)となるようにした。
脳梗塞とTIAの認知率を調査した結果、脳梗塞では40代と60代以上で認知率100%。一方でTIAの認知率は40代で最も高かったものの、それでも6.8%にとどまった。次に▽片側の力が“だらん”とぬけた▽舌がもつれた▽目の半分が“ぱっ”と見えなくなった▽歩きづらく、片側に倒れそうになった▽口元がゆがんでしびれた――といったTIAとも疑われる症状が過去半年間に突然ひとつでも起こり、すぐに消えたことがあるかどうかを聞いたところ、全体では13.3%が経験したことを自覚し、年齢が高齢になるにつれてその割合が高くなる(経験割合:40代=11.7%、50代=12.1%、60代以上=16.0%)こともわかった。
また、「脳梗塞の前兆」について最近見たり聞いたりしたことがあると答えた人は35.8%だったのに対し、「TIA」については2.1%にとどまり、TIAが脳梗塞の前兆であるという認識が低いことも明らかになった。日本脳卒中協会福岡支部長の岡田靖氏(国立病院機構九州医療センター)は調査結果を受けて、「(TIAは)一般の方にまだ認知されていないことが明らかになった。脳梗塞やその前兆についての知識は広まっているが、TIAのように一過性で症状がなくなった場合も、治ったと安心して受診しないのではなく、疑わしい症状があれば先ずかかりつけ医を受診していただくことが大切」とコメントしている。