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世界最大手GEメーカーのテバ 国内GE大手の大洋薬品を買収

公開日時 2011/05/17 04:02

ジェネリック医薬品(GE)売上高世界トップのテバ・ファーマシューティカルズ・インダストリーズ・リミテッドと国内3位のGEメーカー・大洋薬品工業は5月16日、テバ社が大洋薬品の発行済株式の約57%を約370億円で取得する戦略的資本提携を締結したと発表した。これによりテバは興和テバと併せて日本では売上高700億円弱の規模となり、ジェネリックメーカーとしては国内最大プレゼンスを誇ることになる。

今回、取得に合意した約57%の株式については、新谷重樹会長ら新谷一族の保有分と従業員による持株会の保有分などで、テバ社の11年第3四半期までに取得完了予定。同時に残る約43%についても今後取得を進める方針としている。また、大洋薬品の島田誠・代表取締役社長は現任のままだが、株式取得と同時にテバ社から大洋薬品に役員3人を派遣する予定。

テバ社のシュロモ・ヤナイ最高経営責任者(CEO)兼社長は記者会見で「世界第2位の医薬品市場である日本はジェネリック医薬品の今回の戦略的資本提携で、テバ社は日本のジェネリック市場でリーダーシップを取る立場に変遷していく」と発言。同社が目標に掲げていた2015年までの日本市場での売上高10億ドルについては、前倒しで達成できるとのの見通しを示した。

08年11月に興和との折半出資で設立した合弁会社・興和テバとの今後の関係については、「2社でどのようにシナジーを高めていくかは今後の検討課題。現在、興和テバと話し合いをしており、現段階で見通しを発表するのは時期早尚」と述べるにとどまった。

一方で日本でのジェネリック普及率についてヤナイCEOは、長期的には60%超になるとの見方を示したが「当面は30%前後で推移するだろうが、テバ社の経験値から時間をかけて信頼性を確保していけば、クリティカルマスに達して一気に市場は伸びるだろう。世界第2位の医薬品市場である日本はジェネリックメーカーとしては大きな潜在性を有している」と分析した。

今後の日本市場でのアライアンスに関しては「日本のジェネリック市場は分散傾向にあり、大手と呼べる企業は限られている。その中で我々は合理性にかなえば、日本のジェネリックメーカーと株式取得や提携などの協力関係を築くことは考えている」と語り、新たなアライアンスも念頭に置いていることを明らかにした。

大洋薬品の島田社長は、今回の提携について、「テバ社と当社は日本のジェネリック市場でリーディングカンパニーになるという強い目標のもとに今回の提携に至った。時期的にも100%この時期でなければならなかった」と語った。また、時期的な背景について島田社長は「(09年以降の相次ぐ不祥事により)ここ1年間は積極的営業展開を差し控えなければならなかった。ここからできるだけ早く成長路線へ転換しなければならなかった。その中でテバ社は多くの国で成功事例を有しており、その経験値が日本での大洋薬品の成長に大きく貢献してくれるだろうと考えた」と説明した。

今後の大洋ブランドについては「資本構成が大きく変わる場合、企業名も変わるのが常」と語りながらも、パッケージ変更などのコスト増についても言及。「いますぐ大洋ブランドを変更する予定はない」とした。

同社については医薬品卸の10年12月にメディパルホールディングスから社外取締役と社外監査役が派遣されている。この点について島田社長は「一時資本提携の話はあったが、現時点でメディパルホールディングスは当社株式を保有していない」と説明。今後の両社の関係についても変更の予定はないことを明言した。

 

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