大塚製薬の体外診WT1mRNA測定キット 骨髄異形成症候群で保険適用
公開日時 2011/08/09 04:01
大塚製薬は8月8日、現在急性骨髄性白血病の診断に用いられている体外診断用医薬品WT1mRNA測定キット「オーツカ」が、骨髄異形成症候群(MDS)にも8月1日から医療保険で使えるようなったと発表した。このキットは、末梢血から抽出したRNAを検体として、WT1mRNAの発現量を測定することで、最初のMDSの診断の補助や、白血病への移行リスクをみる「進行度モニタリングマーカー」として用いる。それにより薬剤選択なども含め治療方針の決定に役立てる。
移行リスクは、基本的にはIPSSやWPSSという国際的な予後判定システムを用いて評価するが、骨髄穿刺液を採取し、染色体検査が必要。高齢者や小児などて同液の採取ができないケースもあり、その際にこのキットで評価することも可能になる。
WT1mRNAの検査が加わることにより、これまでのリスクの評価が低リスクであってもWT1mRNAが高値を示す場合は、高い移行リスクが考えられるという。そのためこのキットは「IPSSやWPSSに加え、新たなマーカーとして適切な治療方針の決定に寄与するものと考えている」としている。
検査点数は2000点、判断料125点(いずれも月1回算定)。同製品の包装単位は96テスト用で、-20度以下で貯蔵。希望納入価は120万円(税別)。