日本セルヴィエ IDH1遺伝子変異陽性AML治療薬・ティブソボ発売 スズケングループの1社流通で展開
公開日時 2025/06/03 04:50

日本セルヴィエは6月2日、IDH1阻害薬・ティブソボ錠250mg(一般名:イボシデニブ)を発売した。効能・効果はIDH1遺伝子変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)で、アザシチジンと併用して1日1回の経口投与で用いる。同社にとっては3剤目の自社販売品目で、製品流通はスズケングループの1社流通で展開する。
ティブソボは変異型イソクエン酸脱水素酵素1(IDH1)を阻害する分子標的薬。変異型IDH1の酵素活性を阻害することにより、腫瘍細胞におけるがん代謝物の産生を阻害し、腫瘍の増殖を抑制する。薬価は250mg1錠が3万7.60円(1日薬価:6万15.20円)。中医協資料によると、8年後のピーク時で投与患者数120人、販売金額26億円と予想されている。
◎「一社流通のパイオニアであるスズケングループと協業する」 厳密な在庫管理など期待
日本セルヴィエにとってティブソボは、膵がん治療薬・オニバイド点滴静注、急性リンパ性白血病/悪性リンパ腫治療薬・オンキャスパー点滴静注用に続く3剤目の自社販売製品。ティブソボの流通は、オニバイド、オンキャスパーと同じく、スズケングループの1社流通に決めた。
この理由について日本セルヴィエは本誌取材に、「ティブソボについても、厳密な在庫管理、流通上での保管・輸送を一元管理できるよう、一社流通のパイオニアであるスズケングループと協業することになった」とし、「スズケングループは在庫管理、医療機関への納品までスズケングループ内で完結可能な体制を全国都道府県に確立されている」とコメントした。
また、「弊社が製造販売している製品は、いずれも対象疾患の患者数が少ない抗悪性腫瘍剤で、高薬価の薬剤」だとした上で、「安定供給を継続するため複数の卸売業者における在庫の偏在をなくしスピーディにまた確実に患者さまを治療する医療機関に供給できる体制がとれるよう、一社流通としている」とも説明した。