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薬食審・第二部会 アバスチンの再発乳がん適応を再審議 承認を了承

公開日時 2011/08/26 04:02

厚生労働省の薬食審医薬品第二部会は8月25日、抗がん剤アバスチンに手術不能または再発の乳がんの適応を追加することについて、8月1日の部会に続いて審議し、承認を了承した。ほか同日は、同剤含め新薬7剤を審議し、承認してよいとの結論になった。9月にも正式承認となる運び。

アバスチン(ベバシズマブ遺伝子組換え)の適応追加は、抗がん剤パクリタキセルと併用する形で中外製薬が09年10月に承認申請していたもの。前回の部会では、海外フェーズ3試験(E2100)で、中間解析段階で無増悪生存期間(PFS、主要評価項目)の高い改善効果が得られたために試験が早期に中止になったことに対し、中止した段階で偶然に効果が高く出たのではないかとの委員の指摘で、継続審議となっていた。

医薬食品局審査管理課の担当官によると、25日の部会では、中外製薬から試験結果の統計上の解釈に関する見解が提出され、それなどをもとに審議。その結果、委員の指摘を踏まえたとしても、試験結果そのものに大きな影響を与えないとの結論が全員一致で得られた。米国FDAの諮問委員会が6月に同適応の承認取り消し勧告など海外の状況も含め、総合的に判断し、承認して差し支えないとの結論になった。なお、再審査期間は残余期間(平成27年4月17日)。

希少難病CAPS治療薬カナキヌマブ承認へ 新規HCV治療薬も

同日の部会のそのほか結果は次のとおり。
【審議品目】
▽フェソロデックス筋注250mg(フルベストラント、アストラゼネカ):「閉経後乳がん」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。海外73カ国で承認。

▽タコシール組織接着用シート(ヒトフィブリノゲン、トロンビン画分、CSLベーリング):「肝臓外科、肺外科、心臓血管外科、産婦人科及び泌尿器外科領域における手術時の組織の接着・閉鎖」を効能・効果とする新医療用配合剤。再審査期間6年。海外49カ国で承認。

▽ムコスタ点眼液UD2%(レバミピド、大塚製薬):「ドライアイ」を効能・効果とする新投与経路医薬品。再審査期間6年。海外承認なし。

▽イトリゾール内容液1%(イトラコナゾール、ヤンセンファーマ):「真菌感染症/真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症/好中球減少が予想される血液増悪腫瘍または造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。再審査期間は、「真菌感染症」についてはない。「発熱性好中球減少症」では残余期間(平成24年10月19日)。「深在性真菌症の予防」は4年。海外64カ国で承認。

▽テラビック錠250mg(テラプレビル、田辺三菱製薬):ジェノタイプ1aまたは2bのC型慢性肝炎の治療薬で「血中HCV RNA量が高値の未治療患者、インターフェロン製剤の単独療法、又はリバビリンとの併用で無効または再燃となった患者」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。再審査期間8年。米国で今年承認。
HCV(C型肝炎ウイルス)の複製に関与するNS3-4Aセリンプロテアーゼを阻害することでHCVの増殖を抑制する新規作用の治療薬。国内治験では、標準治療のペグインターフェロンとリバビリンに併用した場合、従来のペグインターフェロンとリバビリン療法と比較して、治療効果の改善と治療期間の短縮が確認されている。過去にペグインターフェロンとリバビリンで治療したものの、再燃、無効患者でも有効性が認められた。今年1月に承認申請し、優先審査された。

▽イラリス皮下注用150mg(カナキヌマブ遺伝子組換え、ノバルティスファーマ):「クリオピリン関連周期性症候群(CAPS)」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品。オーファンドラッグ。再審査期間10年。海外40カ国で承認。
同剤の適応症は、国内患者数数十人といわれる希少難病で、承認されれば国内初の治療薬となる。CAPSは、炎症に関与するインターロイキン(IL)-1βが過剰に産生されることで起これるといわれ、生後すぐや幼児期から40度にも及ぶ発熱や激しい関節痛が断続的に繰り返され、さらには聴覚や視覚の障害、骨・関節の変形なども引き起こすこともある。同剤は、IL-1βと特異的に結合することで、炎症を抑える。
日本には承認薬はなかったため「CAPS患者・家族の会」が国内で使えるよう厚生労働省に要請していた3つの治療薬の1つだった。厚労省は、開発の必要性の高い未承認薬と判断、昨年同社に開発要請。同社は要請前の09年から約20人の患者を対象に国内開発を進めていた。

【報告品目】
▽ベルケイド注射用3mg(ボルテゾミブ、ヤンセンファーマ):「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新効能・新用量医薬品。オーファンドラッグ。再審査期間は残余期間(平成28年10月19日)。化学療法未治療の患者にも使えるようにするもの。抗がん剤メルファラン、副腎皮質ホルモン剤プレドニゾロンと併用する。

▽ブレドニン錠5mg(プレドニゾロン、塩野義製薬)、プレドニゾロン錠1mg、同5mg(同、旭化成ファーマ)、プレドニゾロン錠「タケダ」5mg、同散1%(同、武田薬品):「多発性骨髄腫」を効能・効果とする新効能医薬品。ベルケイドとの併用のための効能追加として公知申請されたもの。
 

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