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プラザキサ市販直後調査中間報告 発売5か月で副作用としての死亡例は15例

公開日時 2011/09/28 04:01

日本ベーリンガーインゲルハイムは、直接トロンビン阻害剤・プラザキサカプセル(一般名:ダビガトランエテキシラート)について、8月13日までの5カ月間に、副作用として死亡例が15例、重篤な出血性の副作用が91例報告されたことを明らかにした。重篤な出血事象として報告された症例のうち、24例がアスピリンをはじめとした血小板凝集抑制作用を有する薬剤(抗血小板剤)を併用していたことも分かり、併用に際しての注意喚起もしている。同内容は、市販直後調査第4回中間報告(2011年3月14日~8月13日)によるもので、日本病院薬剤師会が9月26日、HP上に公表し、同剤の適正使用を求めた。


◎重大な副作用に間質性肺炎を追記


第4回中間報告(2011年3月14日~8月13日)は、収集された1218例、1881件の副作用をまとめたもの。報告された副作用のうち、死亡例は15例。このうち、重篤な出血性の副作用は8例、間質性肺炎が4例含まれていた。


間質性肺炎は、使用上の注意の“重大な副作用”として、これまで記載されていた出血に追記され、「頻度不明」とした上で、「間質性肺炎があらわれることがあるので、観察を十分に行い、咳そう、呼吸困難、発熱、肺音の異常等が認められた場合には、速やかに胸部X線、胸部CT、血清マーカー等の検査を実施すること。異常が認められた場合には、投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと」とした。


◎血小板凝集抑制剤との併用で高まる出血リスク


報告された重篤な出血事象は91例。出血部位は、消化管49例(54%)、頭蓋内20例(22%)だった。


このうち、血小板凝集抑制剤(抗血小板剤)との併用例は24例あり、アスピリンとの併用が14例(死亡:3例)、クロピドグレルとの併用が3例(死亡:0例)含まれていた。


中間報告では、血小板凝集抑制剤との併用における出血リスクの高さを指摘。「本剤投与にあたっての注意事項」として、「アスピリン等の血小板凝集抑制剤との併用については、慎重に判断してください」と注意を求めた。


血小板凝集抑制作用を有する薬剤としては、アスピリン、ジピリダモール、クロピドグレルなど抗血小板薬があるが、「併用により大出血の危険性が増大する」と指摘。併用例では「一層の注意を払い、出血や貧血等の徴候を十分に観察し、これらの徴候が認められた場合には、直ちに適切な処置を行ってください」とした。


そのほか、併用注意の薬剤とされる薬剤はベラパミルの9例(死亡:1例)をはじめ、37例(死亡:6例)が報告されている。


◎重篤な出血性事象のある死亡全例が高齢者


すでに注意喚起されている危険因子としては、併用注意の薬剤に加え、①腎機能低下例②高齢者③消化管潰瘍の有無――があるが、今回報告された重篤な出血事象91例のうち、79症例がこれら危険因子を有しており、さらなる注意を求めた。


腎機能低下例は29例含まれており、このうち、禁忌例である高度な腎障害を有する症例も11例(死亡:4例)含まれていた。


また、70歳以上の高齢者は75例含まれ、死亡例のうち、重篤な出血性事象がみられた8例はすべて75歳以上で、このうち7例は80歳以上だった。


そのほか、出血事象の発現時期は、投与開始早期のリスクが高い一方で、投与開始から時間が経過しても発現していることから、「本剤投与中は、投与期間の長さによらず、継続的に出血や貧血等の徴候を十分に観察してください」と注意を促した。また、出血リスクが低いとされる低用量(220mg/日)であっても、重篤な有害事象が発現していることも指摘している。
 

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