NICE 抗血小板薬ticagrelorをガイダンス最終案で推奨
公開日時 2011/09/29 04:00
英国臨床評価研究所(NICE)は9月16日、アストラゼネカの抗血小板薬Brilique (ticagrelor)について、PCI(経皮的冠動脈インターベンション)施行予定のST上昇型急性心筋梗塞(STEMI)患者、非ST上昇型急性心筋梗塞(NSTEMI)患者、および不安定狭心症患者の治療選択肢として、アスピリンとの併用下での使用を推奨する最終ガイダンス案を発表した。同剤の英国での承認条件は、アスピリンとの併用で最大12カ月の使用とした。NICEは、2011年9月30日まで、関係者からの意見を募り、10月26日に最終ガイダンスを発行する予定。
今回の推奨は、同剤の臨床第3相試験(P3)の結果、ticagrelorとアスピリンの併用群ではticagrelorとクロピドグレルとの併用群と比べ心筋梗塞発症を16%、心血管疾患による死亡を21%減少させたデータに基づき、決定された。
NICEのCarole Longsonヘルステクノロジー評価センター長は、「心筋梗塞など心血管疾患による死亡率は減少傾向にあるが、運動不足を含めたライフスタイルや肥満など心配な状況は変わらず、急性冠症候群(ACS)の管理に優先度を与え続ける必要がある」と指摘。その上で、「このガイダンス案は、ticagrelor の可能性をACSの長期的管理を効率的に行う価値あるツールとしてイングランドおよびウェールズでのNHS(国民保健サービス)に提供することの必要性を認識したものだ」とコメントしている。