院内無線LAN環境 導入なしが半数以上 セキュリティや医療機器への影響で
公開日時 2011/10/26 04:00
医師限定コミュニティーサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、施設内の無線LAN環境に関する調査結果をまとめた。無線LANが導入されていない施設は51%で、その理由にセキュリティの問題や有線LAN環境で事足りるとの内容が多く見られた。一方、アクセス制限のある無線LAN環境の施設は31%、アクセスフリーの無線LAN環境がある施設は11%――。アクセス制限のある無線LAN環境の施設ではセキュリティの面で制限があるということだが、なかには「以前はアクセスフリーだったが、MRが自由にアクセスしていることが問題になり、現在はアクセス制限がある」(40代、一般内科)との書き込みも見られた。同サイトの医師会員は約4万人。
調査は8月26日~9月1日に実施した。有効回答数は2532件。同調査は会員医師が他の会員医師に日常診療の素朴な疑問を聞くもの。今回の質問は、様々な医療情報を外部ネットワークから得ることが日常茶飯事の中で、iPadなどの携帯ツールを持ち歩いて使用する場合に院内無線LAN環境がないと業務が進みにくいこともあると思うなどとして、院内無線LAN環境の現状を聞いた。
無線LAN環境がないとの医師からは、「院内はセキュリティの問題から無線LAN禁止」(50代、整形外科)、「医局内で無線LANを個人的に行っていたが、セキュリティの問題で数か月前から中止。やはり不便」(50代、産婦人科)との書き込みが多い一方で、「無線LANを導入したがつながりが悪く、結局有線になった」(60代、一般内科)や「必要な時は有線パソコンを使用。業務にも影響ない」(40代、一般内科)との内容も散見された。また、「無線LANで対応していたが、オペ室もあり、リカバリーのモニター類や電子カルテに干渉する恐れがあるので有線に戻った」(40代、一般内科)など、各種医療機器に悪影響を及ぼすことから有線LANに戻ったとの書き込みの複数見られた。
◎無線LANの利用頻度 若い医師で高い傾向
アクセス制限のある無線LAN環境の施設に勤める医師からは、パスワードやID入力によってアクセス制限がかかっているほか、医局のみ、病棟ごとなどいろいろな制限内容が紹介された。アクセスフリーの無線LAN環境に勤める医師からは、「使いこなせていないのが現状」(50代、麻酔科)、「ほとんど皆さん有線使用」(50代、麻酔科)、「どこでもアクセスできることの利用価値が見いだせていない」(50代、循環器内科)との書き込みが見られる一方、「回診中でもどこでも自由にアクセスして活用している若い医師が多い」(40代、整形外科)や「外来中にもmobilePCでいろいろ調べられるし、非常に便利」(30代、神経内科)など若い医師で良く利用されている傾向が見られた。