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【ISC速報】AVERROESサブグループ解析 アピキサバンの有効性ハイリスク群でより顕著に

公開日時 2012/02/03 06:02

 

ファクターⅩa阻害剤・アピキサバンの有効性は、TIAや脳卒中の既往があるハイリスク群で、より顕著にみられることが示唆された。TIAや脳卒中の既往の有無に分け、ファクターⅩa阻害剤・アピキサバンの臨床第3相試験「AVERROES(Apixaban Versus ASA To Reduce the Risk Of Stroke in Patients With AF Unsuitable for Vitamin K Antagonist Therapy)」のサブグループ解析の結果から分かった。独・University Hospital EssenのHans-Christoph Diener氏が2月1~3日まで米国・ニューオリンズで開催される国際脳卒中学会(ISC)2012の中で2月1日に開かれた、ポスターセッションで報告した。(2月1日 米国・ニューオリンズ発 望月英梨)

今回報告されたサブグループ解析は、AVERROESに登録された、脳卒中の発症リスクが高く、ワルファリンなどのビタミンK拮抗薬で治療が安定しない、もしくは投与がふさわしくない心房細動患者を対象に、TIAや脳卒中の既往の有無による脳卒中と全身性塞栓症の発生リスクを比較する目的で実施された。
TIAや脳卒中の既往がある患者は、脳卒中発症の、ハイリスク群で、積極的な治療が求められているが、実臨床では依然として少なくとも1/3以上の患者にワルファリンが投与されていないことが指摘されている。なお、すでに報告された同試験の本解析では、アピキサバン群ではアスピリン群に比べ、脳卒中+全身性塞栓症の発生率を55%抑制することが示されている。



試験は、①アピキサバン5mg1日2回投与群(選択された患者には2.5mg)2807例②アスピリン81~324mg/日投与群2789例――の2群に分け、治療効果を比較。このうち、脳卒中やTIAの既往があった患者は764例で、アピキサバン群で13.9%(390例/2807例)、アスピリン群で13.4%(374/2789例)含まれていた。有効性の主要評価項目は、脳卒中(虚血性、出血性含む)+全身性塞栓症の発生。安全性の主要評価項目は、大出血。


脳卒中やTIAの既往歴がある群では、高齢(71.7±9.7、69.6±9.5、p<0.0001)、CHADS2スコアが高得点(3.8±0.9、1.8±0.8(平均)、p<0.0001)、高血圧患者の割合が低い(81.2%、87.3%、p<0.0001)などの特徴がみられた。アピキサバンもしくはアピキサバンのプラセボの投与量(2.5mg:8.4%、6.2%、5.0mg:91.6%、98.3%)にも差がみられた(p=0.02)。平均追跡期間は1.1年間。


◎既往群では71%、既往なし群では49% 脳卒中+全身性塞栓症の発症を抑制


その結果、既往歴がある群(764例)での主要評価項目の発症率は、アスピリン群の9.16%(33例/374例)に対し、アピキサバン群は2.39%(10例/390例)で、アピキサバン群で有意に71%の減少がみられた(HR:0.29、[95%CI:0.15‐0.60])。


これに対し、既往歴がない群(4832例)では、アスピリン群の3.06%(80例/2415例)に対し、アピキサバン群で1.68%(41例/2417例)で、アピキサバン群で有意に49%の減少がみられた(HR:0.51、[95%CI:0.35-0.74])。既往歴がある群で、アピキサバン群が良好な傾向が強くみられたが、既往の有無による有意差はみられなかった(p=0.17)。


NNT(Number Needed to treat:治療必要数)は、既往歴がある群では16、既往歴がない群では74だった。そのほか、全死亡もアピキサバン群で一貫して有意に低い結果となった(p=0.89)。
一方で、大出血は、既往歴がある群では、アスピリン群で2.89%(11例/374例)に対し、アピキサバン群で4.10%(14例/390例)で、有意差はみられなかった(HR:1.28[95%CI:0.58-2.28])。既往歴がない群では、アスピリン群で0.98%(28例/2415例)に対し、アピキサバン群で0.74%(18例/2417例)で有意差はみられなかった(HR:1.08、[95%CI:0.64-1.80])。大出血の頻度は、既往歴がある群で頻度が有意に高い結果となったが(p<0.0001)、治療薬による有意差はみられなかった(p=0.73)。


Diener氏は、「ビタミンK拮抗薬(ワルファリン)で安定しない心房細動患者で、脳卒中やTIAの既往がある患者では、血管イベントを再発するリスクが高い」と述べた。その上で、「TIAの既往の有無によらず、アピキサバン群はアスピリン群に比べ、脳卒中や全身性塞栓症を有意に抑制し、出血リスクにも有意差はみられなかった」とアピキサバンの有効性を強調。「アピキサバンによる治療は、脳卒中の既往歴がない患者でも脳卒中と全身性塞栓症の発症を抑制するが、アピキサバンの絶対的な治療効果は、ベースラインからハイリスクの脳卒中の既往歴がある患者で、大幅に大きい」と述べた。

なお、同試験の結果は、同日付のThe LANCET Neurologyに掲載された。

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