アスピリン含有製剤 「重大な副作用」に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記 添付文書改訂
公開日時 2026/01/14 04:50
アスピリン含有製剤について、「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記する添付文書改訂が行われた。厚生労働省医薬局医薬安全対策課が1月13日、課長名で添付文書改訂を指示したことを受けたもの。このほか、2型糖尿病治療薬・ツイミーグの「重大な副作用」に「重度の食欲減退、嘔吐」を追記することや、FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症治療薬・クリースビータの「重大な副作用」に「高カルシウム血症」を追記することなども行われた。
◎CAR-T細胞療法3製品の添付文書改訂も
アベクマ、カービクティ、キムリアのCAR-T細胞療法3製品の添付文書改訂も行われた。3製品とも「重大な副作用」の「感染症」の本文に進行性多巣性白質脳症に関する注意喚起を追記。さらにカービクティは「重大な副作用」に「腸炎」に関する注意喚起が追記された。
添付文書の改訂指示があった医薬品は次の通り。
▽アスピリン含有製剤(医療用)
①アスピリン(血栓・塞栓形成の抑制の効能を有する製剤)(製品名:バイアスピリン錠、バイエル薬品 等)
②アスピリン・ダイアルミネート(製品名:バファリン配合錠、ライオン 等)
③アスピリン・ボノプラザンフマル酸塩(製品名:キャブピリン配合錠、武田薬品)
④アスピリン・ランソプラゾール(製品名:タケルダ配合錠、T’s製薬)
⑤クロピドグレル硫酸塩・アスピリン(製品名:コンプラビン配合錠、サノフィ 等)
⑥アスピリン(解熱鎮痛消炎の効能を有する製剤)(製品名:アスピリン原末「マルイシ」、丸石製薬 等)
改訂概要:「重大な副作用」の項に「アレルギー反応に伴う急性冠症候群」を追記する。
改訂理由:アレルギー反応に伴う急性冠症候群関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、アスピリン含有製剤とアレルギー反応に伴う急性冠症候群との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
アレルギー反応に伴う急性冠症候群(コーニス症候群)関連症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例1例(うち死亡0例)。因果関係が否定できない海外症例7例(同0例)。
▽イメグリミン塩酸塩(製品名:ツイミーグ錠、住友ファーマ)
改訂概要:「重大な副作用」の項に「重度の食欲減退、嘔吐」を追記する。
改訂理由:重度の食欲減退、嘔吐の症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と重度の食欲減退、嘔吐との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
重度の食欲減退、嘔吐の国内症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない症例は7例、うち死亡0例。
▽ブロスマブ(遺伝子組換え)(製品名:クリースビータ皮下注、協和キリン)
改訂概要:「重要な基本的注意」の項に、定期的に血清カルシウム及びPTHを測定する旨を追記する。「特定の背景を有する患者に関する注意」の「合併症・既往歴等のある患者」の「高カルシウム血症の患者」の項に、「高カルシウム血症のリスク因子(副甲状腺機能亢進症、不動状態、脱水、ビタミンD過剰症、腎機能障害等)を有する患者」を追記する。「重大な副作用」の項に、「高カルシウム血症」を追記する。
改訂理由:高カルシウム血症関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本剤と高カルシウム血症との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
高カルシウム血症関連症例の集積状況:医薬品と事象との因果関係が否定できない国内症例2例、うち死亡0例。因果関係が否定できない海外症例0例。
▽CAR-T細胞療法
①イデカブタゲン ビクルユーセル(製品名:アベクマ点滴静注、ブリストル・マイヤーズ スクイブ)
②シルタカブタゲン オートルユーセル(製品名:カービクティ点滴静注、ヤンセンファーマ)
③チサゲンレクルユーセル(製品名:キムリア点滴静注、ノバルティスファーマ)
改訂概要:「重大な副作用」の項の「感染症」の本文に、進行性多巣性白質脳症に関する注意喚起を追記する。具体的には、「進行性多巣性白質脳症(PML)が報告されていることから、神経症状があらわれた場合には、鑑別のための適切な検査(脳脊髄液検査やMRIによる画像診断等)を行うこと」と記載する。
改訂理由:進行性多巣性白質脳症(PML)関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、以下の理由から使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
・シルタカブタゲン オートルユーセル及びチサゲンレクルユーセルについて、PML関連事象との因果関係が否定できない症例の集積が確認されたこと。
・イデカブタゲン ビクルユーセルとPML関連事象との因果関係が否定できない症例は確認されなかったものの、以下の点を考慮すると、イデカブタゲン ビクルユーセルについても同様に、因果関係が否定できないPML関連事象が発現する蓋然性は高く、共通の注意喚起を行うことが適切と考えること。(1)イデカブタゲン ビクルユーセル投与後にPML関連事象が発現した症例の報告があること。(2)CAR-T細胞療法とPMLとの関連を疑う文献報告(Blood 2023; 141: 673-7)があること。(3)既に本邦における複数のCAR-T細胞製品の添付文書において、PMLに関する注意喚起が記載されていること――。
PML関連症例の集積状況:事象との因果関係が否定できない国内症例0例。事象との因果関係が否定できない海外症例は、シルタカブタゲン オートルユーセルで2例(うち、死亡1例)、チサゲンレクルユーセルで2例(同0例)。
▽シルタカブタゲン オートルユーセル(製品名:カービクティ点滴静注、ヤンセンファーマ)
改訂概要:「重大な副作用」の項に、「腸炎」に関する注意喚起を追記する。具体的には、「免疫反応に起因すると考えられる腸炎があらわれることがある。また、腸管穿孔に至ることがある。患者の状態を十分に観察し、重度又は持続性の下痢等の異常が認められた場合は、適切な処置を行うこと」と記載する。
改訂理由:腸炎関連症例を評価した。症例の因果関係評価及び使用上の注意の改訂要否について、専門委員の意見も聴取した結果、本品と腸炎関連事象との因果関係が否定できない症例が集積したことから、使用上の注意を改訂することが適切と判断した。
腸炎関連症例の集積状況:事象との因果関係が否定できない国内症例は0例。事象との因果関係が否定できない海外症例22例(うち、死亡0例)。