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FDA 諮問委の意見なしで新薬承認の傾向高まる

公開日時 2012/03/01 04:00

米食品医薬品局(FDA)が承認する新医薬品およびバイオ医薬品について、FDA修正法が承認まえの諮問委員会の役割を強調しているにもかかわらず、近年、諮問委員会の意見を聞かずに承認する傾向が高まっていることが分かった。

FDA医薬品評価研究センター(CDER)が2011年に承認した30成分の新規化合物(24成分)および新規バイオ医薬品(6成分)のうち、13成分は諮問委員会の審議を受けていない。この数字は2年続けて増加している。
諮問委員会の審議を受けたのは、新規化合物13成分と新規バイオ医薬品4成分の17成分となった。この数字は、2009年と同じで近年では最も高い数字となっている。2008年は承認数全体が24で、審問委員会審議数が6(全体の25%)、2009年25、17(68%)、2010年21、13(62%)。


諮問委員会を開催しなくなっている理由には、①FDAのリソースの限界、②ユーザーフィーによる審査終了目標日からくる圧力、②製品によっては、安全性・有効性についての議論が不要、③諮問委員会での審査がイノベーションに反する、もしくはイノバティブな製品が市場に到達することを遅らせるなどの見解による内外の圧力―など多岐にわたっている。


FDAのDouglas Throckmorton規制計画課次長は、「諮問委員会の数は年々増加してきており、議会も関心を持っているが、CDERは各製品の承認の可否については意見を求めず、意見を求めるにしてもその内容が変わってきている」と話し、諮問委員会の役割が変化してきているとの考えを示した。
Throckmorton次長は、諮問委員会の役割の変化について、BiogenIdecの多発性硬化症治療薬Tysabri(natalizmab)が2004年11月に加速承認され上市後、臨床試験において服用患者で進行性多巣性白質脳症が発現、同剤は数か月後に市場から撤退した件を例示した。この際にFDAは市場での販売を再開すべきか、諮問委員会を開催、意見を求めた。同次長は、2006年に開催された、この諮問委員会が、FDAが諮問委員会に求める問題についての転換点になったと説明した。


CDERは今後も承認の決定について諮問委員会に意見を求める意向に変わらないとしているが、市販後のリスク管理など医療現場での使用の可否、患者への価値などについての問題が生じた場合に意見を求めることに価値が置かれる考えを示している。


2011年に諮問委員会の審議を受けずに承認された品目は下記の通り。製品名(一般名)、申請企業、適応症、諮問委員会審議不要の理由の順。


① Edarbi(アジルサルタン)、武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ、高血圧、同剤はアンジオテンシンII受容体拮抗剤だがファーストインクラスではない。安全性は他の降圧剤と同等、臨床試験デザインも他の降圧剤と類似など。


② Edurant(rilpiivirine)、ティボテック(ジョンソン・エンド・ジョンソン)、HIV感染、非核酸逆転写酵素剤(NNRTI)だがファーストインクラスではない、安全性は他のNNRTIと同等、臨床試験デザインも他の同クラス薬剤と類似など。


③ Erwinaze(asparaginase erwnia chrysanthemi)、EUSA Pharma USA、急性リンパ芽球性白血病他剤療法の一部、諮問委員会で論じる問題はない。


④ Horizant (gabapentin/ enacarbil)、グラクソスミスクライン/Xenoport、むずむず脚症候群、安全プロファイルは受容できる、臨床試験デザインは同クラスの既承認医薬品と類似。


⑤ Jakafi(ruxolitinib)、Incyte、骨髄線維症、諮問委員会で議論を必要とする問題はない。


⑥ Netroba (spinosad)、ParaPRO、アタマジラミ、対象集団で重大な安全性・有効性の問題はない。


⑦ Onfi(clobazam)、ルンドベック、レノックスガストー症候群に伴うてんかん、安全性プロファイルは既承認のてんかん薬と類似。


⑧ Trajenta(リナグリプチン)、ベーリンガーインゲルハイム、2型糖尿病、ファーストインクラスの糖尿病治療薬ではない(すでに2剤のDPP-4 阻害薬が上市されている)、適応はすでに11のクラスにわたる糖尿病薬の承認で使用された確立されたエンドポイントを基礎に獲得された-など。


⑨ Viibryd (vilazodone)、Trovis Pharmaceuticals、大うつ障害、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)と5-HT1A受容体部分的作動薬の2つの作用を持つ薬剤でファーストインクラスではない、安全性プロファイルは既承認の同適応薬剤に類似。


⑩ Xalkori (クリゾチニブ)、未分化リンパ腫キナーゼ融合遺伝子陽性の局所進行もしくは転移非小細胞肺がん(NSCLC)、対象集団に重大な安全性・有効性の問題はない。


⑪ Yervoy(イピリムマブ)、ブリストル-マイヤーズ スクイブ、切除不能あるいは転移黒色腫、諮問委員会で議論を必要とする問題はない。


⑫ Zelboraf (ベムラフェニブ)、ホフマン・ラロシュ、BRAF-V600遺伝子変異を持った切除不能もしくは転移黒色腫、適応患者集団についてはベネフィット/リスクプロファイルは好ましいもの。


⑬ Zytiga (abiraterone acetate)、転移去勢抵抗性前立腺がん、諮問委員会で議論を必要とする問題はない。
CDERでは正式に諮問委員会を開催しなくても、特定の承認申請に対して、FDA以外の外部の見解を聞くことは排除していない。1例としては、4.9月という迅速審査で承認したファイザーのXalkoriについては、諮問委員会を開催しなかったので、記録的な早さでの承認となったが、抗がん剤審査部門が抗がん剤諮問委員会(ODAC)のWyndham Wilson議長(国立がん研究所:NCI)およびNCIの研究者Udayan Guha氏に意見を求めている。


一方、2011年および2010年における諮問委員会が開催された日数は以下の通り。


諮問委員会                  2011      2010
麻酔・鎮痛剤                   1        6
抗感染症                     3        2
抗ウイルス剤                   4        1
関節炎                       1        3
心・腎臓                      2        7
皮膚科・眼科                   2        0
医薬安全・リスク管理              6        13
内分泌・代謝                   3        9
消化器                       5        3
医療画像*                    0        ―
一般用医薬品                   2        0
腫瘍*                       7        5
末梢神経/CNS 4 4
薬剤科学/臨床薬理学              3        3
精神薬理学                     1        1
肺-アレルギー                   2        4
生殖保健                      3        2
ワクチン(CBER)                 5        5


*医療画像諮問委員会は2011年3月に設置のため、2010年のデータはない。*腫瘍諮問委員会は小児小委員会の開催回数も含む。アバスチンの乳がん適応取り消し問題についてのヒアリングの2日間は除外している。

 


(The Pink Sheet  1月23日号より)  FDAと米国製薬企業の情報満載 “The Pink Sheet”はこちらから

 



 

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