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【ACC.12特別版】HOST ASSURE ACS患者にシロスタゾール上乗せの抗血小板薬3剤併用で2剤併用に非劣性示すも優越性示せず

公開日時 2012/03/28 10:30

PCI施行後の急性冠症候群(ACS)患者に、アスピリン+クロピドグレルの抗血小板薬2剤併用にシロスタゾールを上乗せした結果、アスピリン+クロピドグレル2倍用量投与に対し、非劣性を示したが、優越性を示すことはできなかった。「HOST –ASSURE」試験の結果から分かった。3月24日から米国・シカゴで開催されている米国心臓病学会議(ACC.12)で25日に開かれた「Late-Breaking Clinical Trials」セッションの中で、韓国ソウルのSeoul National University HospitalのHyo-Soo Kim氏が同試験の結果を報告した。(米国・シカゴ発 望月英梨)


PCI施行後の急性冠症候群(ACS)患者では、血栓性イベントの発生を予防する目的で、アスピリンとクロピドグレルの2剤併用が行われている。一方で、クロピドグレルは、投与から効果発現までに時間がかかることが指摘されており、PCI施行後1週間、同剤の2倍用量を投与(loading)することで、通常用量と比べ、高いイベントの発生抑制効果を得ることも報告されている。


一方で、高リスク患者に対し、効果発現の高さなどを期待し、アスピリン+クロピドグレルの2倍用量を投与する2剤併用療法だけでなく、アスピリン+クロピドグレル通常用量+シロスタゾールの3剤併用を行うことも少なくない。しかし、3剤併用と、クロピドグレル2倍用量投与の2剤併用の有効性と安全性を直接比較した試験はこれまで行われていなかった。


試験は、1カ月後のネットクリニカルベネフィット(心血管イベントの発生抑制効果-出血性イベント)で、3剤併用(アスピリン+クロピドグレル+シロスタゾール)が2剤併用(アスピリン+2倍用量クロピドグレル)に非劣性を示すことを検証する目的に実施された。3剤併用と2剤併用の有効性・安全性を検討すると同時に、エベロリムス溶出性ステント(PtCr-EES、商品名:Promus)とゾタロリムス溶出性ステント(CoCr-ZES、商品名:Endeavor)の有効性・安全性を検討する2×2factorialデザインとして実施された。


韓国40施設から3755例が登録され、アスピリン300mg+クロピドグレル300~600mgのloadingを行った。その上で、3剤併用群1879例、2剤併用群1876例に分け、治療効果を比較した。


3剤併用群では、シロスタゾール200mgのloadingを行った上で、アスピリン100mg1日1回+クロピドグレル75mg1日1回+シロスタゾール100mg1日2回を投与した。一方、2剤併用群では、シロスタゾールのloadingは行わず、アスピリン100mg1日1回+クロピドグレル150mg1日1回投与した。主要評価項目は、PCI施行から1カ月後のネットクリニカルベネフィットとして、心血管死、致死性心筋梗塞、ステント血栓症(definite/probable)、脳卒中、PLATO基準の大出血の複合エンドポイントを据えた。


患者背景は、糖尿病患者が3剤併用群で31.8%(598例)、2剤併用群で31.3%(588例)含まれていた。入院時の薬物療法は、アスピリンが3剤併用群で99.4%(1867例)、2剤併用群で99.3%(1862例)、クロピドグレルが3剤併用群で99.3%(1866例)、2剤併用群で99.3%(1863例)に投与されていた。そのほか、β遮断薬やACE阻害薬の投与が6割を超える患者に処方されていた。


◎サブグループ解析でも同様の傾向示す


その結果、主要評価項目の発生率は、2剤併用群で1.4%(27例)、3剤併用群で1.2%(23例)で、ハザード比は0.85[95%CI:0.49-1.48]で、非劣性のマージン(0.75%)は満たしたものの(p<0.001)、優越性のマージンは満たせなかった(p=0.566)。絶対リスクは、0.22%低下した(standard error:0.37%)。そのほか、いずれの項目も有意差はなかったが、非致死性心筋梗塞(p=0.185)、ステント血栓症(p=0.371)は、3剤併用群で少ない傾向がみられた。出血は、PLATO基準による大出血は両群間に差はみられなかったが(p=0.999)、微小出血は2剤併用群で少ない傾向がみられた(p=0.165)。


薬剤を服用した患者を対象に行ったper-protocol解析でも、主要評価項目の発生率は、3剤併用群で1.2%、2剤併用群では1.6%で、両群間に有意差は認められなかった(HR:0.73[0.42-1.30]、p=0.287)。
この結果については、サブグループ解析でも一貫して同様の傾向を示した。なお、血小板反応性は、ベースライン時で3剤併用群173±97、2剤併用群で213±93で、有意に3剤併用群で低い結果となった(p<0.001)。この傾向は、投与1カ月後も継続し、3剤併用群で169±80、2剤併用群で192±80で、3剤併用群で低い結果となった(p<0.001)。


Kim氏はイベントの発症率が想定よりも低かったことなど、試験に限界もあると指摘。その上で、「すべての薬剤溶出性ステント(DES)を用いたPCIを受けた患者に対し、2剤併用に、シロスタゾールを追加投与することは、クロピドグレルの維持用量2倍投与に対し、非劣性を示した」と総括した。

 

 


 

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