英AZ ブレナンCEOが6月に退任 業績不振による引責辞任との見方も
公開日時 2012/05/02 07:00
英アストラゼネカは4月26日、デビッド・ブレナン最高経営責任者(CEO)が6月1日付で退任すると発表した。後任にはサイモン・ラウス最高財務責任者が就任予定。ただ、ラウス氏について同社では「恒久的な後任が決定するまでの暫定的なCEO」としている。同日には2012年第1四半期の業績が大幅に落ち込んだことも発表されたこともあり、今回のブレナンCEOの退任については、業績不振を原因とする引責辞任とも噂されている。
ブレナンCEOは今回の退任について、「この偉大な企業のCEOを6年以上務め、今が辞任と新たなリーダーへ手綱を引き渡すべき最良のタイミングと判断した」とコメントしている。
しかし、ブレナン氏のCEO就任以降、アストラゼネカではブリストル・マイヤーズ スクイブとの共同開発品である2型糖尿病SGLT2阻害薬ダパグリフロジンの承認取得失敗や、Targacept社との共同開発品であるうつ病治療薬でニコチン受容体アンタゴニストのTC-5214の開発中断など、パイプライン強化に相次いでつまずいた。また、大型商品の抗精神病薬セロクエルの特許失効などもあり、市場では将来の成長性に疑問符が付けられていた。
このため、同社株主の一部からは最近、経営陣刷新を訴える声が上がるほどだった。
ブレナンCEOの退任と同時に既に今年9月1日からルイ・シュヴァイツァー非常勤会長に代わって、同職を務める予定だったリーフ・ヨハンソン氏は、3か月前倒しで非常勤会長に就任する。ヨハンソン氏はスウェーデンの自動車大手ボルボの元CEOで、2011年にはエリクソンの会長に就任していた。