アストラゼネカは７月30日、日本循環器協会と「循環器病の克服に向けた包括連携協定」を締結したと発表した。両者はそれぞれの知見やネットワークを活かし、日本における健康寿命の延伸と循環器病による死亡率減少を目指す。具体的には、心不全をはじめとする循環器病の予防や治療の普及活動、循環器病対策を進めるためのエビデンス創出などに連携して取り組む。

日本で循環器病（心疾患・脳血管疾患）は、がんに次ぐ死因の第２位で、生活習慣の欧米化や高齢化により患者数・死亡者数ともに増加している。循環器病の多くは高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病から発症し、日常の生活習慣に大きく左右される病気であると同時に、生活習慣の改善などによって予防や対策な可能な病気でもある。こういった背景から両者は、「循環器病の患者数や死亡者数を減少させるためには、一般の市民はもちろん医療従事者へ広く疾患啓発活動を行うことが非常に重要」だとしている。

今回の協定を通じて両者は、①医療従事者に対し循環器病対策や循環器病の治療の重要性の認識を高め、治療の標準的な考え方を普及する活動、②一般市民への循環器病予防や循環器病の治療の重要性に関する普及活動、③循環器病対策を効果的に進めるためのエビデンス創出、④循環器病の克服に寄与するための活動およびその発展に関する活動――に連携して取り組む。同社と日本循環器協会は2022年２月から、心不全に関する疾患啓発サイトを共同で運営している。