スズケンが５月９日に発表した2012年３月期（11年度）連結業績のうち、主力の医薬品卸売事業では、２期連続の営業損失となった。同社は、「適正な利益の確保に向けた取り組みを強化したことで一定の成果が現れたものの、依然として厳しい状況」と総括した。全体としては、保険薬局事業が好調に推移したことなどで事業全体での営業増益は達成したが、固定資産の減損損失などで特別損失が発生したため、当期純利益は減益となった。

医薬品卸売事業の業績は、売上高１兆7708億100万円（前期比6.2％増）、営業損失31億3200万円。厚生労働省の「医療用医薬品の流通改善に関する懇談会」が策定した「緊急提言」に則って流通改善に取組み、価値に見合った価格交渉を展開。前期から営業赤字額を約12億円圧縮したが、黒字転換には至らなかった。医薬品卸売事業の各種指標は、売上総利益率6.31％、販管費率6.49％。妥結率（金額ベース）は、昨年12月末で72.3％（２年前は78.1％）、３月末で100％（同）だった。同社は12月末の妥結率について、「２年前と比べ、慎重に価格交渉を進めた結果」としている。

13年３月期（12年度）の医薬品卸売事業業績予想は、売上高１兆8200億円（2.8％増）、営業利益30億円。売上総利益率6.68％、販管費率6.52％、営業利益率0.16％。営業ベースで黒字転換を見込む。