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【ATS特別版】プレドニゾン、アザチオプリン、N-アセチルシステインの3剤併用 特発性肺線維症の死亡を増加

公開日時 2012/05/29 06:54

軽症から中等症の特発性肺線維症(IPF)において、プレドニゾンとアザチオプリン、N-アセチルシステイン(NAC)の3剤併用による有効性と安全性を検討するPANTHER-IPF試験の中間報告が発表され、3剤併用はプラセボと比べて死亡と入院が有意に高いことが明らかになった。これにより同試験では、3剤併用による治療が早期に中止されている。米国Washington大のGenesh Raghu氏が、米国胸部学会(ATS)年次学会(米国カリフォルニア州サンフランシスコで5月18~23日開催)のレイトブレイキングセッションで、22日報告した。


特発性肺線維症(IPF)の治療には、プレドニゾンとアザチオプリン、N-アセチルシステイン(NAC)の3剤併用が広く利用されているが、同併用がNAC単剤またはプラセボよりも優れているかどうかは明らかになっていない。PANTHER-IPF試験では、軽症から中等症(気管支拡張薬吸入前FVC予測値の≥50%、一酸化炭素拡散能が予測値の≥30%と定義)で、IPFの診断を受けてから48ヶ月以内の患者を対象に、プレドニゾンとアザチオプリン、N-アセチルシステイン(NAC)の3剤併用かNAC単剤、プラセボを与える被験者群に1:1:1の割合で無作為に割り付けた。主要評価項目を60週間にわたるFVCの変化とし、副次評価項目には死亡率、死亡までの時間、急性増悪の頻度、疾患進行までの時間などを設定した。


試験開始当初は被験者数を390例(各群130例)予定していたが、中間解析により併用群でプラセボ群を上回る死亡と入院が発生していることが判明したため、追跡期間32週目で併用療法は中止された。今回の中間報告は、併用群77例とプラセボ群78例を比較したデータである。


患者特性は両群でバランスが取れており、平均年齢は併用群68.8歳、プラセボ群67.9歳、それぞれ23%と27%が女性であった。両群とも7割以上に喫煙歴があり、FVC(予測値%)はそれぞれ69.3%、72.1%、一酸化炭素拡散能(予測値%)はそれぞれ42.1%、45.3%であった。


併用群では全死が8例(10.4%)にのぼり(うち7例が呼吸器関連)、プラセボ群(1例、1.3%)を有意に上回った(p=0.01)。この他、入院(併用群23例、プラセボ群7例、p<0.001)、急性増悪(それぞれ5例、0例、p=0.028)、重篤な有害事象(それぞれ24例、8例、p=0.001)においても、併用群はプラセボ群より有意に高かった。


併用療法は早期に中止されたため、主要評価項目を解析することができなかったが、中間解析時点でのFVCの変化は、併用群が-0.24Lに対しプラセボ群は-0.23Lで両群間に有意差は示されなかった(p=0.85)。


Raghu氏は、併用療法の早期中止により主要評価項目および副次評価項目の多くが解析不可能になったことと、死亡と入院の詳細原因が不明であること、また3剤のうちどの薬剤が転帰不良と関連しているのかを特定出来ないことが、同試験の制約となっていると説明した。その上で、これらの中間データは3剤併用に不利なエビデンスであると結論した。


なお、NAC単剤とプラセボを比較検討する試験は継続しており、IPF患者におけるNACの治療的役割の解明に期待が寄せられる。
 


 

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