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アステラス製薬 高リン血症の改善治療薬キックリンを発売 三和化学と共同販促

公開日時 2012/06/26 04:00

 

アステラス製薬は透析中の慢性腎不全患者における高リン血症の改善治療薬キックリン(一般名:ビキサロマー)を6月26日に発売した。国内のリン吸着薬では2成分目で、便秘などの原因となる腹部膨満感の副作用が少ないのが特徴。アステラスは腎疾患領域医薬品2製品に関し三和化学と戦略的提携することを発表しており、三和化学が製造販売している高カリウム血症治療薬アーガメイトとキックリンを両社で共同販促する。目標売上はピーク時(16年度)に70億円(薬価ベース)。アステラスの循環器製品や内分泌製品などのMR1200人と三和化学のMR460人が情報提供活動を展開する。

 

国内では高リン血症治療薬としてキックリンと同じ機序のリン吸着薬にレナジェル/フォスブロック(中外製薬/協和発酵キリン、一般名:塩酸セベラマー)がある。国内の高リン血症治療薬市場は、炭酸ランタン(ホスレノールチュアブル、バイエル薬品)や炭酸カルシウムなども含めると約280億円(10年度)。うちレナジェル/フォスブロックの売上が85億円(10年度)。


キックリンとレナジェル/フォスブロックを直接比較した国内フェーズ3では、リン吸着薬の主な副作用である腹部膨満感の発症頻度が少なかったという結果が得られている。
アステラスは腎領域で長年の実績と経験を有する三和化学研究所と共同販促することで、早期の市場拡大・全国展開を目指す。なお、三和化学のアーガメイトは2000年7月に上市され、10年度(11年3月期)の売上は68億円。

 

腎機能が低下した透析患者の多くでは、腎臓からリンが十分に排泄されなくなるため、体内にリンが蓄積して高リン血症を発症する。高リン血症が持続すると、骨が痛んだり骨折しやすいなどの症状を特徴とする腎性骨症や心血管系組織の石灰化による虚血性心疾患のリスクが高くなることが知られている。
キックリンはアミン機能性ポリマーであり、消化管内でリン酸と結合し、体内へのリン酸吸収を阻害することにより、血清リン濃度を低下させることが期待される。透析中の慢性腎不全患者を対象とした国内フェーズ3では、血清リン濃度の低下作用および長期投与時における安全性が確認されている。
同剤は成人に対しては、1回500mgを開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。血清リン濃度の程度により適宜増減し、再高用量は1日7500mg。
 

 

 

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