アステラス製薬 韓国政府機関傘下の創業振興院と提携 スタートアップの創薬研究とグローバル展開を支援
公開日時 2025/07/18 04:50
アステラス製薬は7月17日、韓国の中央政府機関の中小ベンチャー企業部の傘下にある創業振興院(The Korea Institute of Startup and Entrepreneurship Development、KISED)と「グローバル企業パートナーシッププログラム」の運営に関する基本合意書を締結したと発表した。韓国の創薬スタートアップの発掘や事業展開、グローバル展開の支援を目的としており、プログラム運営に参画するのは日本の製薬企業では初めてという。
基本合意に基づき、アステラス製薬は、KISEDとともに選出した韓国創薬スタートアップに対し、つくば研究センター敷地内に設立されたSakuLab-Tsukuba内の研究スペースとオフィススペースの利用権を提供する。KISEDはプログラムの運営全般と研究資金の提供を行う。
◎韓国のTCUBEiT社とAAVATAR Therapeuticsを選出 SakuLab-Tsukubaへ入居
プログラムでは、韓国の製薬・バイオテクノロジースタートアップ2社である、次世代のT細胞免疫療法の開発を専門とするTCUBEiT社と、AAV(アデノ随伴ウイルス)ベクターエンジニアリング技術に専門性を有するAAVATAR Therapeuticsを選出。両社はSakuLab-Tsukubaへ入居して、研究活動を行う。SakuLab-Tsukubaでは、アステラス製薬の各分野の専門家による相談対応や研究者間のネットワークの活用で、創薬研究の加速が期待されるという。
◎アステラス製薬・谷口氏 「芽吹いたアイデアや技術を共に育み、花開かせたい」
アステラス製薬の谷口忠明・研究開発担当CRDOは、「アステラス製薬がこれまで培ってきた知識・ノウハウや海外ネットワークを、イノベーションに挑むスタートアップのニーズに応じて提供し、芽吹いたアイデアや技術を共に育み、花開かせたい。基本合意書締結により、韓国のスタートアップとともに創薬研究がさらに強化、加速し、革新的な医療ソリューションの創出につながることを期待している」とコメントした。
KISEDのJong-pil Yoo代表は、「新薬の研究開発には高度な専門性とインフラが求められる中、アステラス製薬の研究資産やグローバルネットワークをスタートアップが直接活用できる本プログラムは、彼らの成長を大きく後押しするものと期待している」と述べた。