武田薬品 悪性リンパ腫治療薬ブレンツキシマブ ベドチン 日本で承認申請
公開日時 2013/03/25 04:01
武田薬品は3月22日、悪性リンパ腫治療薬ブレンツキシマブ ベドチン(欧米の製品名「ADCETRIS」)について、日本で同日に承認申請したと発表した。予定適応症は、▽再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫▽再発・難治性のCD30陽性未分化大細胞リンパ腫――。同剤は2012年3月に希少疾病用医薬品の指定を受けており、優先審査の対象となるため、審査が順調に進めば13年度中の承認取得となる見込みだ。
国内患者数は、ホジキンリンパ腫で年間800~1300人とされ、再発・難治性はこの2~3割とされる。未分化大細胞リンパ腫では年間270~360人とされる。今回の申請は国内フェーズ1/2試験と海外フェーズ2試験の結果に基づく。武田薬品によると、国内フェーズ1/2試験の実施を公表した際、医師からの問い合わせが多かったという。新たな治療選択肢としての期待の高さがうかがわれる。
武田薬品100%子会社であるミレニアム社のカレン・フェランテ・チーフメディカルオフィサーは、「再発・難治性のホジキンリンパ腫および再発・難治性の未分化大細胞リンパ腫は標準治療法が未だ確立しておらず、新たな薬剤の開発が求められている疾患。当局と連携して、本薬を日本の患者さんに一日も早くお届けできるよう鋭意取り組みたい」とコメントした。
同剤は、CD30抗原を標的とする抗体と、微小管阻害作用を持つ低分子薬剤(モノメチルアウリスタチン E:MMAE)とをシアトルジェネティクス社の特許技術を用いてリンカーで結合させた抗体薬物複合体。この複合体は血中では安定し、CD30抗原を発現した腫瘍細胞に取り込まれた後、タンパク質分解酵素によりリンカーが切断され、MMAEを放出するよう設計されている。シアトルジェネティクス社とミレニアム社は共同事業化契約に基づいて共同開発し、タケダグループは米国・カナダを除く全世界の独占的販売権を持っている。