富士製薬 緊急避妊薬・レボノルゲストレル錠「F」のスイッチOTCを承認申請 24年10月に
公開日時 2025/06/26 04:50
富士製薬は6月25日、緊急避妊薬・レボノルゲストレル錠1.5mg「F」のスイッチOTC医薬品について、2024年10月に承認申請していたことを公表した。このタイミングで申請を明らかにした理由は、学会など関係各所への報告や相談を行っていたため。緊急避妊薬のスイッチOTCは、あすか製薬が24年6月に承認申請していたことを明らかにしている。公表ベースでは、富士製薬のスイッチOTCは2剤目の申請となる。
富士製薬によると、医療用医薬品として販売しているレボノルゲストレル錠1.5mg「F」は国内シェア約90%だという。このスイッチOTCを申請した理由は、「緊急避妊薬のアクセス向上のためのスイッチOTCという社会的な要請に応えるとともに、女性のWell-beingを高めるため」だとしている。今後、厚労省の薬事審議会・要指導・一般用医薬品部会で承認可否が審議されるとみられる。なお、政府が24年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」では、スイッチOTC化の承認申請から承認の可否判断までの総期間を「1年以内に設定する」とされている。
◎「特定要指導医薬品」の指定、薬剤師の面前服用を想定
また富士製薬は本誌取材に、緊急避妊薬という特殊性に鑑み、同スイッチOTCは特定要指導医薬品に指定されることを想定していると説明した。特定要指導医薬品は5月に成立した改正薬機法に盛り込まれたOTC医薬品の新たなカテゴリー。富士製薬は、同スイッチOTCは一定の研修を受けた薬剤師による説明、対面販売、そして面前服用が前提になることを想定しているとも話した。
緊急避妊薬のスイッチOTC化は、20年に第5次男女共同参画基本計画において「処方箋なしに緊急避妊薬を利用できるよう検討する」ことが定められた。その後、21年に厚労省の「医療用から要指導・一般用への転用に関する評価検討会議」でスイッチOTC化の検討が開始。23年から「緊急避妊薬の適正販売に係る環境整備のための調査事業」が実施され、一部薬局で試験的な販売が行われている。