中外製薬 アレセンサで小児含むALK陽性固形がんの適応拡大を申請
公開日時 2025/06/27 04:49
中外製薬は6月26日、ALK阻害薬・アレセンサ(一般名:アレクチニブ塩酸塩)について、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の固形がんに対する小児を含む適応拡大申請を行ったと発表した。承認されれば、アレセンサはALK融合遺伝子陽性固形がんに対する世界初のがん種横断での治療薬となる可能性がある。
アレセンサは現在、ALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がんや未分化大細胞リンパ腫の適応を持つ。同社の奥田修代表取締役社長CEOは、「ALK融合遺伝子陽性固形がんに対するがん種横断の治療薬としてアレセンサが承認申請に至ったことを大変嬉しく思う」とした上で、「ALK融合遺伝子陽性の様々な固形がんへの治療可能性を広げる重要な一歩」とコメント。多様ながん種の患者の治療選択肢となるよう1日でも早い承認取得に向け取り組むとしている。
今回の申請は、切除不能な進行又は再発のALK遺伝子異常を有する小児を含む希少がんを対象に、アレセンサの有効性と安全性を評価した医師主導の国内第2相臨床試験(TACKLE試験)の成績に基づく。同試験では26人の患者で有効性と安全性が検討され、主要評価項目は奏効率、副次的評価項目は無増悪生存期間、全生存期間、安全性等とした。なお、同試験は国立がん研究センター中央病院が産学共同で希少がんの治療開発を推進するMASTERKEYプロジェクトの副試験として実施された。