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13年のインフルエンザシーズン 1月時点でイナビルの処方シェア43% 首位タミフルに肉薄

公開日時 2013/04/01 04:02

2013年も猛威を振るったインフルエンザだが、基本的に1回の吸入で治療が完結する抗インフルエンザ薬イナビルの処方シェアが急伸したことがわかった。処方せん枚数ベースで処方シェアを見ると、13年1月時点でタミフルが46%とトップシェアを維持したものの、イナビルが43%、リレンザが11%だった。イナビルは2010年秋に新発売し、それまではタミフルが市場の8割超を占めていたが、その後イナビルのシェアは右肩上がりに推移、そして13年シーズンに肩を並べる状態にまでなった。

これは、調剤レセプトベースで実際の処方状況を把握・分析する医療情報総合研究所(JMIRI)のデータを基に分析した結果。詳細はMonthlyミクス4月号(4月1日発行)の連載「医師の処方動向をよむ」に掲載している。

◎患者年齢で処方に傾向あり

ミクス編集部とJMIRIはこのほど、抗インフルエンザ薬(経口、吸入)の処方動向を分析した。そうすると、イナビルの急伸とともに、患者年齢で処方内容に傾向があることがわかった。具体的には、9歳以下と60歳以上はタミフル、10代はイナビル――の処方シェアが高く、20~59歳の就労世代はタミフルとイナビルでシェアはほぼ拮抗しているものの、若干イナビルでシェアが高い、との結果だった。

9歳以下の小児と60歳以上の高齢者でタミフルのシェアが高い理由として、JMIRIは、「小さい子どもでは吸入方法を理解することが難しく、タミフルではドライシロップという服用しやすい剤型がある。また、小児が対象ゆえ、これまでの使用経験から一定の評価もあるタミフルが優先されたのではないか」との見方を示している。高齢者についても、12年シーズンよりも13年シーズンでイナビルはシェアを伸ばしたものの、それでもタミフルが過半数のシェアを占めたのは、ドライシロップを含む経口剤の方が服薬しやすいとの判断があったと推測される。

10代ではイナビルがシェアの過半数を獲得し、2番手はリレンザ、タミフルのシェアは10%に満たなかった。2007年に発生した、因果関係は不明ではあるものの、タミフル服用者の異常行動による転落事故との関係が類推される。当時、緊急安全性情報が出され、その後、添付文書の警告覧で注意喚起されているが、今回のデータからは明らかに他の世代とは処方傾向が異なる。

就労世代ではイナビルの処方シェアがタミフルを若干しのぐ格好となった。吸入方法の理解とともに、実質1回の吸入で済むイナビルで症状が好転すれば、出勤できないまでも在宅での業務が可能になることもシェア獲得の一因とみられる。

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