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減量支援の処方薬

公開日時 2013/09/13 03:50

肥満はアメリカの国民病だ。フィットネスクラブから、サプリメント、高額の減量支援プログラムまで、アメリカ人は「やせるため」に毎年何兆円も使っている。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

ところが意外にも、FDA認可を得ている減量支援の処方薬は案外売れていない。たとえば市場の先駆けとなったQsymia の今年の第一四半期の売り上げは4.1ミリオンドル。市場規模を考えると、あまりにも売上げが低いというのが専門家の意見だ。(https://www.qsymia.com/about-weight-loss.aspx) 

アメリカでは減量支援の処方薬はいずれも伸び悩んでおり、FDA認可取得直後には29ドルを記録したQsymiaのVivus社の株価は、現在では12.5ドルである。

処方薬が売れない理由としては、医療保険の償還がとりにくかった、副作用が心配された等諸説あるが、なによりも「肥満が病気だと認識されていない」からだという意見がもっぱらである。国民一般はもとより医師も「肥満は病気ではないから治療対象にならない」と考えるために、そのための医薬品を処方するという考えをもてないというのである。

だが,このような風潮にはっきりとした変化が兆してきた。今年4月に米国内分泌学会 (American Association of Clinical Endocrinologist) が糖尿病の治療プロトコルに減量支援の処方薬の使用をとりいれると発表し、これに続いて、アメリカ医師会(American Medical Association)がシカゴでの年次総会(7月)で「肥満を疾患として認定する」と決議したからだ。米国医師会の権威と影響力はきわめて大きいので、今後、肥満は医師による積極的な治療の対象となる可能性が高い。

医師会の肥満に対する対応姿勢の変化を背景に、低迷していた減量支援の処方薬があらためて注目されている。このような動きにともなってであろう、QsymiaのVivus社は7月の株主総会で経営陣の大幅刷新を行うと発表。今後は積極攻勢に出る構えである。

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