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【World Topics】大手医療機関が無保険者のための無償診療を停止

公開日時 2014/07/07 03:50

オバマケアの全面施行にともない、これまで、いわば伝統的に実施してきた無保険者のための無償診療を中止または大幅に減ずる医療機関がふえている。従来、米国では、大手病院の多くが地域の貧困層向けに無償診療を実施して来た。が、オバマケアが無保険者層にも医療保険購入の道を開き、さらに保険購入が困難な層にはメディケイドの給付拡大を行ったことから、医療機関は、従来こうした無償診療の対象となってきた患者にも医療保険の購入が、あるいはメディケイドへの加入が可能になっていると判断。医療機関独自での無償診療をやめ、医療保険加入を促す考えだ。


たとえばミズーリ州のBarnes_Jewish病院はこれまで無料で診療して来た患者に一定金額の自己負担を課すことに決めた。ニューハンプシャー州の南ニューハンプシャー病院は州の貧困基準($11,670/person)以上の収入を得ている場合は無料診療の対象としない。バーモント州の公立病院でも貧困基準の2−3倍の収入がある場合は無償診療の対象から外すことにした。


「消極的に見えるかもしれないが、こうすることで、むしろ国民皆保険が進むよう協力する意向」と病院経営者は語っている。


だが、患者の実態はどうか?Beverly Jonesは慢性の皮膚病でBarnes_Jewish 病院にかかってきた。病院には数千ドルの未払いがあり、払える見通しがたたない。これまでは無償で病院にかかることができたが、先行きは不安だ。Beverlyの年収は$13,400で、その大半が障害者手当。オバマケア施行にともない一番安い保険に加入したが、月々の保険料を払い続けられるかどうか心許ない。もし無保険になってしまったら、病院が導入する自己負担分は支払えないだろうと、今から心配でたまらないという。


オバマケアの成功はBeverly のような人々がこの制度とともにサバイブできるかどうかにかかっていると言わなければなるまい。(医療ジャーナリスト 西村由美子)

 

 

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