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アステラス製薬 営業所を1/3削減 エリア戦略強化の営業体制構築

公開日時 2014/08/26 03:52

アステラス製薬は、全国159か所ある営業所を10月1日付で約100か所まで削減することが本誌取材で明らかになった。今回の再編は、エリア戦略の強化が狙い。国の医療政策も4月の診療報酬改定で「地域包括ケア」の方向性を打ち出し、従来の施設完結型から地域完結型への転換が求められたところだ。このような中で医療環境の変化を踏まえ、全国の支店の機能を高めることで、製品軸に加え、地域・エリアごとの独自性を踏まえた営業戦略を実現する。


同社のMR数は現在2400人で内資系企業として最大規模。営業拠点は全国14支店で、営業所は159か所に及ぶ。今回の営業組織の再編は、「エリア特性に応じた支店機能の実現」を目的としたもの。営業所の総数を現在の3分の1(約50営業所)を削減し、これまで以上にエリア戦略を強化することを狙いとしている。なお、病院専従の営業所は日本橋営業所のみとし、残りの病院専従営業所は統廃合する。


同社関係者によると、「営業活動も支店をベースとした活動が増えてきた。エリア特性に応じた支店機能をより実現しやすいということで、統廃合が行われる」としている。また、今回の再編に伴い営業所のカバーする範囲が拡大することから、チームリーダーが担う役割が拡大することも予測される。これに対し同社広報部は、「基本的には営業所長、チームリーダーの担う役割には変化はない」という。


◎地域密着型できめ細かなMR活動実現へ


厚労省は2025年の高齢化のピークに向けた医療政策の基本軸を「地域包括ケア」においている。地域包括ケアでは、急性期病院の川上から、在宅医療の川下までの患者の流れを、医師や薬剤師、看護師などによる多職種間の連携をベースに「地域完結型」とする狙いが込められる。このため薬剤情報については、急性期病院における退院時サマリーから、在宅医療における残薬問題までを一貫して管理する地域の薬剤師の役割が重要視されるところだ。こうした環境変化を背景に、製薬企業のMRが行う情報提供も、エリア単位の病院、診療所、調剤薬局を結ぶネットワークとの連携が不可欠な時代となる。その意味で、今回のアステラス製薬の取り組みは、これまでの「製品軸」だけでなく、「エリア軸」を採り入れた地域密着型の営業体制構築と見ることもできる。
 

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