27年度薬価改定 大臣折衝で実施は「既定路線」も支払側永井委員「あり方を含めて必要な見直し求める」
公開日時 2026/02/16 05:31

中医協支払側の永井幸子委員(日本労働組合総連合会総合政策推進局長)は2月13日、2026年度診療報酬改定答申後に支払側が開いた会見で、答申書附帯意見も踏まえ、「安定供給の確保やイノベーションを推進する観点から、中間年改定のあり方も含め、必要な見直しを求めていきたい」と主張した。25年末の大臣折衝で、「令和9年度(27年度)の薬価改定を着実に実施する」ことに厚労相・財務相が合意しており、実施はすでに既定路線となっている。永井氏は、「今回、大臣折衝の中で27年度も薬価改定の実施が盛り込まれたことに対して、意見を申し上げていきたい」と強調した。
◎永井委員「製薬会社で働く方々も労働組合の中にいる」
永井委員は、26年度診療報酬改定の答申書附帯意見に「イノベーションの推進、安定供給の確保、現役世代の保険料負担を含む国民負担の軽減の観点から、諸外国の動向も踏まえつつ、各制度の在り方について引き続き検討すること」と盛り込まれたことを引き合いに、検討の余地について言及。「中間年改定のあり方を含めた見直し」を主張した理由について、「製薬会社で働く方々も我々(労働組合)の中にいることも含め、どのような薬価のあり方が良いのか、改定のタイミングが良いのか、引き続き検討していきたいという想いで述べさせていただいた」と胸中を明かした。
◎経団連・奥田委員 費用対効果評価引き合いに「改定でイノベーションの適切な評価」も
製薬企業を傘下に抱える奥田好秀委員(日本経済団体連合会社会保障委員会医療・介護改革部会部会長代理)も、「以前は非常に薬価差があり、公定価格である薬価に対して乖離率がかなり高かったという事実があった。しかし、現時点では乖離率が小さくなっているという事実もある」との認識を示した。そのうえで「製薬企業は10年、15年という開発期間を経て新薬を開発する中で、1年ごとに改定があると、経営の予見性が低下するので、常に反対はしている」と説明した。
費用対効果評価制度を引き合いに、「承認段階で思っていたよりも効果が低かった、逆に効果が高かったことに対する改定もある」として、「(改定により)イノベーションを適切に評価していただくこともできるのではないか」との考えを示した。奥田委員は、「イノベーションの評価と国民皆保険の持続性を両立することが非常に重要だ。その辺りを意識して改定に当たっていただきたい」と強調した。
◎伊藤委員 「原則確年改定の認識」
伊藤徳宇委員(三重県桑名市長)は国保の立場から、「私は、原則隔年改定というような認識の下に議論させていただいている」と話した。
◎松本委員「確実に実施されると受け止め」 4大臣合意「上書きされたものはない」
一方、松本真人委員(健康保険組合連合会理事)は16年末の4大臣合意で毎年薬価改定の実施が導入されたことを引き合いに、「薬価差を国民に還元することに関して、現段階で上書きされたものは発行されない」と指摘。25年末の大臣折衝でも27年度も確実に実施されることが確認されたことから、「確実に実施されるものだと受け止めている」と話した。
◎鳥潟委員 薬価改定は何が目的か 乖離率圧縮は検討も「薬価差はゼロであるべき」
鳥潟美夏子委員(全国健康保険協会理事)は、「薬価改定が何の目的で実施されるかといえば、薬価差があったためで、それが原資にされてきたということ」と指摘。一方で、25年度の薬価調査では平均乖離率が約4.8%となるなど薬価差が圧縮される中で、「今後どうしていくかは考えていかないといけない」と述べた。「ただ、薬価差はゼロであるべきだ」とクギを刺した。
◎鈴木委員 費用対効果の“検証”踏まえ「毎年改定のイメージ」
鈴木順三委員(全日本海員組合組合長代行)は自身が費用対効果評価専門部会の委員を務めていることから、費用対効果評価制度について言及した。「費用対効果評価制度の“検証”を考えると、毎年改定のイメージになってしまうかもしれないが、検証をして国民にその内容を広く告知するという意味では(毎年改定は)必要だと認識している」と述べた。なお、費用対効果評価制度の検証は製薬業界が強く求めていた経緯がある。