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26年度診療報酬改定 急性期入院基本料A・B新設で病院機能評価 集約化へ地域医療構想を「先取り」

公開日時 2026/02/16 07:30
「入院に関して若干新たな地域医療構想に先行した改定がなされている」-。日本医師会の松本吉郎会長は2月13日、2026年度診療報酬改定の答申後に開いた会見でこう見解を語った。26年度診療報酬改定では、急性期医療において、病院機能を評価する「急性期病院A/B一般入院料」を新設し、手厚い点数配分を行った。厚労省が検討する2040年を見据えた新たな地域医療構想では、“急性期拠点機能”が示されている。地域での病院の機能分化・連携が求められる中で、診療報酬で示すことで、病院の選択と決断を後押ししたい考え。一方で、救急搬送件数が要件となっていることから、地域での救急車の奪い合いにつながる懸念の声もあがっており、地域における急性期医療は今後注視する必要がありそうだ。

◎医法協・太田副会長「大学病院など地域の拠点医療機関に手厚い点数配分」

「急性期機能の高い大学病院など、地域の拠点となる医療機関では手厚い点数が配分されているように見える」-。日本医療法人協会の太田圭洋副会長がこう話すなど、日本医師会・四病院団体協議会合同記者会見では、26年度診療報酬改定では急性期入院医療に手厚い配分がなされた。

◎急性期病院A入院料1930点 急性期病院Bは1643点 救急搬送件数、手術件数が要件

特に、新設された「急性期病院A一般入院料」(1930点)、「急性期病院B一般入院料」(1643点)と手厚い配分がなされた。これまで急性期入院医療は、平均在院数や医療看護必要度などで病棟単位を中心に評価されてきたが、救急搬送件数や全身麻酔手術件数など病院単位の機能とした評価体系へと見直した。

急性期病院A一般入院料では、「救急搬送件数が年間2000件以上」、「全身麻酔による手術件数が年間1200件以上」を要件とした。急性期病院B一般入院料では「救急搬送件数が年間1500件以上」または「救急搬送件数が年間で500件以上であり、かつ、全身麻酔による手術件数が年間で500件以上」とした。人口20万人未満の二次医療圏においては、「救急搬送件数が最大の医療機関であり、かつ年間1000件以上」で算定を可能とした。

◎「急性期総合体制加算」新設 総合性と手術等の集積性を持つ拠点的な病院を評価

地域において総合性と手術等の集積性を持つ拠点的な病院を評価する観点から、「急性期総合体制加算」を新設する。総合入院体制加算及び急性期充実体制加算を見直した。人口20万人未満の地域においては救急搬送の受け入れを最も担う病院として、「急性期総合体制加算5」を設けた。

このほか、特定機能病院については大学病院の本院を対象とした特定機能病院A入院基本料(7対1入院基本料)は2146点、ナショナルセンター等の特定機能病院B入院基本料は2136点、その他グループは特定機能病院C入院基本料として2016点。現行の1882点から増点となる。

◎日病・岡副会長「病院機能の選択、見直しを考える機会に」

日本病院会の岡俊明副会長は、「救急車を受ければ受け入れるほど、利益率が悪化して赤字が増えるというデータも示されてきた。今回、救急車受入件数や全身麻酔手術件数を考慮した急性期病院A/B一般入院料で、非常に高い評価をしていただいた。救急車を受け入れることによって利益率が悪化するという現象が改善されるということに期待したい」と話した。

そのうえで、急性期病院A/B一般入院料の新設で、「今後2040 年に向けて我々は地域医療構想で病院の機能分化等を考えなければいけない時代になっている。 それぞれの病院が自分たちの担う病院機能として何を選択するのか、あるいはどう見直すのかと考える機会になる」との考えを表明。「病院も変わらなければならない。そういう一つのきっかけになるのではないか」との考えを示した。

◎日医・松本会長 三次救急に救急医療集中で二次救急への影響を懸念「しっかり検証を」

日医の松本会長は、「今後、地域医療提供体制にどのように影響を及ぼすのか。きちんと二次救急病院、三次救急病院等含めて、どのような影響があるか、しっかりと検証していかなければならない」との考えを示した。

急性期病院A/B一般入院料で救急搬送件数が要件となっていることから、「三次救急病院に救急対応が集中すれば、二次救急を支える地域の中小病院が機能しなくなってしまう恐れがある。そうすると、地域の医療提供体制が大きく崩れてしまう。厚労省にはしっかりと検証していただき、場合によっては軌道修正を図る対応を求めることも考えておきたい」と述べた。

◎ICTやAI活用で人員配置を柔軟化「新しい視点」

26年度改定ではICT 活用、 AI 等でその人員の業務効率化、負担軽減がなされることも特徴となっている。見守り、記録、医療従事者間の情報共有に関し、ICT機器等を組織的に活用している場合は、1日に看護を行う看護職員の数等の基準について、1割以内の範囲で柔軟化することなどが盛り込まれている。

全日本病院協会の猪口正孝副会長は診療報酬改定の人員配置など、ストラクチャー評価されてきたとしたうえで、「ICTやAIの活用で機能を高めれば、人員配置に柔軟性を持たせるという方向性が示された。今までの診療報酬体系と違う視点が入ってきたと歓迎している」と述べた。ただ、「費用に関しては、特に診療報酬の中であてがわれているわけではない。この辺も考慮していただけるとすごくありがたい」とも話した。

日病の岡副会長も、「配置基準の柔軟化により、医療の質・医療安全が損なわれることはあってはならない。そこは注意しながら結果を出すことで、さらなる ICT や AI活用で今後配置基準の柔軟化が進むことを期待したい」と話した。

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