協和発酵キリンは１月８日、米Syndax社が抗悪性腫瘍薬として開発中のクラスＩヒストン脱アセチル化酵素（HDAC）阻害薬エンチノスタット（一般名）について、日本と韓国における独占的な開発および販売に関するライセンス契約を締結したと発表した。米国ではＨＲ陽性（限局進行性もしくは転移性）乳がんにおけるエキセメスタンとの併用療法でBreakthrough Therapy（画期的新薬）に指定され、Syndax社が第３相臨床試験を進めている。協和発酵キリンは、2015年中にこの適応で国内治験を開始する予定であるが、日韓共同で実施するか別々で行うかなどの詳細は検討中という。

エンチノスタットは、エピジェネティク機構を通じて遺伝子発現を制御する作用機序を有する。乳がん以外の固形がんにおける免疫療法の併用薬としての開発も進んでいる。

今回の契約にあたり、協和発酵キリンはSyndax社に契約一時金として2500万ドルを支払う。さらに、これらと開発や販売に伴うマイルストンを併せて合計で最大１億ドルを支払う予定。