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科研製薬・14年度業績 増収、2ケタ増益 外用爪白癬薬クレナフィンの急伸で

公開日時 2015/05/13 03:51

科研製薬は5月12日、2015年3月期(14年度)決算を発表し、昨年9月に新発売した国内初の外用爪白癬治療薬クレナフィンが想定以上の売り上げとなったことで、連結業績は増収、2ケタ増益となった。同社は当初、クレナフィンは7年後のピーク時で売上35億円を見込んでいたが、14年度の売上は68億5700万円だった。15年度は120億円を計画する。

同社はこの日に開いた決算会見で、クレナフィンの市場浸透の速さについて、「想定以上に急速に医科専門医に有効性、安全性の理解が広まった。市場の受け止めが我々の想定を超えるものがあった」と説明。市場で受け入れられたポイントとして、有用性とともに、爪白癬の適応を持つ国内初の外用薬であったことを挙げ、「(既存の)内服薬の場合は薬物相互作用や肝機能への負担により定期的な検査がいる。投与できない特に高齢者で、クレナフィンの使いやすさが受け入れられた」との見方を示した。同剤のピーク時売上は、「当社としても判断しきれていない」としている。

クレナフィンは自社創製品。新規トリアゾール系化合物エフィナコナゾールを有効成分とし、1日1回罹患爪全体に塗布する。使用上の注意として、「直接鏡検又は培養等に基づき爪白癬であると確定診断された患者に使用すること」となっており、同社では当初、この啓蒙に時間がかかると思っていたという。

なお、最主力品の関節機能改善薬アルツは薬価改定の影響などで売上302億5900万円、前期比5.7%減だった。

【14年度連結業績(前年同期比) 15年度予想(前年同期比)】
売上高938億8900万円(5.6%増) 985億円(4.9%増)
営業利益206億3100万円(30.0%増) 210億円(1.8%増)
経常利益203億9400万円(31.4%増) 211億円(3.5%増)
純利益121億2200万円(24.5%増) 140億円(15.5%増)

【14年度の主要製品売上(前年同期実績) 15年度予想、億円】
アルツ 302(320)306
セプラフィルム 107(107)110
クレナフィン 68(-)120
リピディル 44(43)45
フィブラストスプレー 37(35)36
ジェネリック計 109(123)133
注)1億円未満切捨て

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