科研製薬 再生細胞治療製品gMSC1の共同開発・販売権取得 広島大発バイオベンチャー・ツーセルと契約
公開日時 2025/06/04 04:50
科研製薬は6月2日、広島大学発のバイオベンチャー・ツーセルが創製した同種(他家)滑膜間葉系幹細胞由来三次元人工組織・gMSC1について、ライセンス契約を締結したと発表した。契約締結により、科研製薬は国内の整形外科領域において製品の共同開発権と独占的販売権を取得する。また、ツーセルに対して契約一時金と開発費用、開発と販売マイルストンを合わせて最大70億円を支払う。上市後は売上額に応じたロイヤルティも支払う。
gMSC1は滑膜由来の間葉系幹細胞(MSC)を用い、欠損した部位の軟骨の修復を目的に創製した再生細胞治療製品。ツーセルが所有する技術および無血清培地を用いて創製された同種(他家)MSC の三次元人工組織(スキャフォールド添加を必要としない)であり、欠損した部位の軟骨の修復に有効な治療法を提供することが期待されている。
gMSC1を巡って、ツーセルは中外製薬との間でライセンス契約を結んでいたが、膝関節における外傷性軟骨損傷および離断性骨軟骨炎を対象とした第3相臨床試験で主要評価項目が未達だったため契約解消に至った。今回の科研製薬との間では、改めて適応症や主要評価項目を検討した上で、第3相試験に臨む計画。適応症は整形外科領域で検討しているという。
科研製薬は「ツーセルとともに本製品の再生医療等製品としての開発を推進することにより、整形外科疾患を有する患者さんに新たな治療選択肢をいち早くお届けできるよう努めていく」としている。