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科研製薬 希少疾患領域特化の専任チーム新設「製品開発・情報提供の両面から強化」HAE開発品を導入で

公開日時 2025/11/12 04:50
科研製薬の堀内裕之代表取締役社長は11月11日の2025年度第2四半期(中間期)決算説明会で、10月に希少疾病領域に特化した専任チームを新設したことを明らかにした。25年度上期に遺伝性血管性浮腫(HAE)治療薬に関する2つの開発品を導入。「まずHAE治療薬の発売に向けた準備を進めている。希少疾患領域における患者さんのニーズに応えるべく製品開発と情報提供の両面から取り組みを強化していく」と強調した。

◎HAE治療薬候補 皮膚科領域の「強み活かせる」

同社は25年度上期に3件の導入契約締結を発表している。うち2件がHAE治療薬に関するもの。導入理由として、①HAEは皮膚症状を伴うことが多く、皮膚科領域での強みを生かせる、②HAEは未治療・未診断の患者が多い疾患であり、原発性腋窩多汗症治療薬・エクロックの疾患啓発活動など、未治療の患者へのアプローチの実績がある―の2点を挙げ、「当社の強みを生かせる領域だ」と指摘した。

25年4月には、米カルビスタ社が日本で承認申請中のHAEの急性発作治療薬・セベトラルスタットの国内販売権取得を発表。綿貫充取締役研究開発本部長は「25年度下期の承認取得を期待している」と述べた。また、8月には米アストリア社が日本を含む国際共同第3相試験を実施中のHAEの長期予防薬・ナベニバルトの国内開発・販売権取得を発表。27年度上期に第3相試験のトップラインデータを公表予定で、28年度の承認申請を予定する。

残り一つは、25年6月に発表した広島大学発のバイオベンチャー企業ツーセルからの再⽣医療等製品「gMSC1」の導入契約(国内共同開発権・販売権)で、軟⾻⽋損を伴う変形性膝関節症を対象に第3相試験を準備中という。

◎難治性脈管奇形候補「KP-001」 26年度の申請を予定、米国の自販第1号を目指す

研究開発面で同社は11月10日、難治性脈管奇形を対象に国内外で開発中の「KP-001」について、国内第3相試験の主要評価項目を達成したと発表した。26年度の国内承認申請を予定している。米国自販第1号を目指して、米国でも開発しており、綿貫研究開発本部長は「まもなく第3相試験を開始したいと考えている」と述べた。28年度の承認申請を予定している。なお、同社では、25年3月に米アーディ社の買収(完全子会社化)を完了し、KP-001の販売基盤とノウハウを獲得した。

◎25年度中間期決算 売上高23.4%減の394億円 前期一時金受領の反動減

説明会前日の11月10日に発表した25年度中間期決算は、売上高が前年同期比23.4%減の394億円となった。前年同期にあったアトピー性皮膚炎治療薬候補「NM26」のJ&Jグループへの知的財産譲渡に係る契約一時金受領(約133億8000万円)の反動減が、大幅減収の要因となった。利益面では、米カルビスタ社、米アストリア社への契約一時金として、それぞれ約16億5000万円、約24億円を支払ったことなどで、研究開発費が95.4%増(57億円増)の117億円に膨らんだ結果、営業利益は99.0%減となった。

◎最主力品・クレナフィン群は1.5%増の93億円 AG順調で「数量増を目指す」

国内主要製品の売上高を見ると、最主力品の爪白癬治療薬・クレナフィン群(25年9月発売のAG含む)は前年同期比1.5%増の93億円と増収を確保。堀内社長は「AGの売上が順調な滑り出しだったため」と説明した。通期では、前期比21.7%減の132億円を予想し、期初から変更していない。「AGの市場浸透を促進し、数量の増加を目指す。この後出てくるジェネリックにおいても爪白癬市場でのシェアを今以上に伸ばしていけるよう強力に取り組みを進めていく」と述べた。なお、沢井製薬と東和薬品の2社が25年8月に通常GEの承認を取得している。

関節機能改善剤・アルツの売上は5.8%減の92億円、エクロックは12.4%増の15億円となった。通期では、各181億円(4.9%減)、24億円(17.8%増)を予想している。

通期業績予想については、期初予想に織り込んでいなかったツーセル、米アストリア社との導入契約に係る一時金支払いを主な理由に、25年9月26日に下方修正を発表しており、それから変更していない。

【連結業績 (前年同期比)通期予想(前期比)】
売上高 393億5600万円(23.4%減)863億円(8.2%減)←880億円(期初)
営業利益 2億300万円(99.0%減)21億円(90.0%減)←52億円(期初)
経常利益 6億700万円(96.9%減)28億円(86.8%減)←60億円(期初)
親会社株主帰属純利益 9億9200万円(93.0%減)23億円(83.5%減)←34億円(期初)

【国内主要製品売上高(前年同期実績)通期予想、億円】
クレナフィン 93.13(91.72)132←修正前132
アルツ 92.33(98.04)181←修正前185
セプラフィルム 35.19(35.67)70
フィブラスト 11.43(12.49)22←修正前23
エクロック 15.29(13.60)24
リグロス 4.34(4.63)9←修正前10
ヘルニコア 0.78(2.05)3←修正前4
後発医薬品計 37.31(42.79)78←修正前89

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