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日本老年医学会 「高齢者の安全な薬物療法GL2015」公表 多剤併用の対策も

公開日時 2015/11/09 03:50

日本老年医学会は11月4日、「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015」をまとめ、総論部分をホームページ上で公開した。2005年版から10年ぶりの改定となった同ガイドライン(GL)では、筋骨格疾患、在宅医療、介護施設の医療、薬剤師の役割の4領域を新設した。多剤併用における薬剤師の役割や、薬の一元管理の重要性も指摘。「かかりつけ薬局で患者の処方情報はすべて把握し、重複投与や併用禁忌、「特に慎重な投与を要する薬物のリスト」該当薬等をチェックし、疑義照会が適切にできるような体制にすべき」としている。


GLは、薬物有害事象の頻度が高く重症例の多い高齢者薬物療法の安全性を高めることを目的に策定された。75歳以上の高齢者および、75歳未満でもフレイルから要介護状態の高齢者に対し、慢性期特に1か月以上の長期投与する場合、特に慎重な投与を要する薬物のリストを「高齢者の処方適正化ツール」として掲載している。4月に実施したパブリックコメントで寄せられた158件の意見を踏まえ、最終版とした。


多剤併用(ポリファーマシー)については、薬剤費の増大や患者のQOL(生活の質)だけでなく、薬物相互作用、処方・調剤の誤りや飲み忘れ・飲み間違いの発生率増大に関連した薬物有害事象の増加と指摘した。その上で、薬剤数と有害事象の発生率との関係から「5~6種類以上を多剤併用の目安と考えるのが妥当」と指摘し、優先順位を考慮した処方を求めた。意識障害や食欲低下、低血圧など、すべての新規症状についてはまず薬物有害事象を疑い、場合によっては、すべての薬剤を中止し、経過を観察することも求めた。


多剤併用における薬剤師の包括的介入については、医療費の削減とともに薬物有害事象の発現を低下させるとして推奨した(エビデンスレベル:高、推奨度:高)。特に漫然と繰り返し使用されている薬は有害事象の発生頻度が高いとして注意を求めた。


複数の薬剤を服用することで薬物有害事象も増加するが、薬剤師が処方の見直しや薬学的管理の実施により、薬物関連問題(処方誤り、薬物有害事象、相互作用 等)の発生頻度が低下するとし、推奨した(エビデンスレベル:高、推奨度:強)。


◎「高齢者の処方適正化ツール」掲載 


GLでは、①精神疾患、BPSD、不眠、うつ、②神経疾患、抗認知症薬、パーキンソン病、③呼吸器疾患、肺炎、COPD、④循環器疾患、抗血栓薬、抗不整脈薬、心不全、⑤高血圧、⑥腎疾患、⑦消化器疾患、GERD、⑧糖尿病、⑨脂質異常症、⑩泌尿器疾患、⑪筋骨格疾患、骨粗鬆症、関節リウマチ、⑫漢方薬、⑬在宅医療、⑭介護施設の医療、⑮薬剤師の役割――の15領域を設定。系統的レビューを実施し、「高齢者の処方適正化ツール」を掲載した。

具体的には、三環系抗うつ薬・アミトリプチリン(製品名:トリプタノール)、クロミプラミン(アナフラニール)、イミプラミン(トフラニール)などは、副作用として認知機能低下などがみられることから、すべての高齢者に対し、「可能な限り使用を控える」(エビデンスの質:高、推奨度:高)とした。

ベンゾジアゼピン系睡眠薬・抗不眠薬は、在宅医療で高齢者の転倒リスクを高めるとし、「長時間作用型は使用すべきではない。トリアゾラムは健忘のリスクがあり、使用すべきではない」とした。ほかの薬剤についても、最低必要量、短時間での投与を求めた。

 

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