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ノバルティス・コッシャ社長 心不全治療薬など革新的新薬上市で成長に期待

公開日時 2016/09/14 03:51

ノバルティスファーマのダーク・コッシャ代表取締役社長は9月13日に都内で開かれた記者会見で、降圧薬・ディオバンの特許切れを補う、次期主力候補品の心不全治療薬など革新的な新製品の相次ぐ上市を通じて、医療に貢献する考えを示した。コッシャ社長は、「患者のため、日本社会のために届けさせていただく新薬が売上回復につながっていくのではないか」との考えを表明。「私たちは患者に真に貢献できる治療法を有しており、できるだけ早く臨床現場に届けたい」と強調し、日本市場に注力する姿勢を改めて示した。降圧薬・ディオバンの臨床研究不正など一連の不祥事については、今後も信頼回復に向けて注力する姿勢を示し、「色々な問題が終結していない。日本の社会が我々を見る目が変わる瞬間を待ちたいと思う」と述べた。

同社の2015年(1-12月)の売上高は、2597億円。2013年の3261億円から減少している。コッシャ社長は、「色々な不祥事もあり、売上が落ちてきているのは確かだ。医師が当社に対し、不信を抱いた影響だと理解できる」と述べた。さらには、2014年に降圧薬・ディオバンの特許が切れたことで、ディオバンやエックスフォージなどディオバンファミリーの売上高が大幅に減収になった。加えて、現在の主力品であるDPP-4阻害薬・エクアやCOPD治療薬、アルツハイマー病治療薬が伸長したが、ディオバンの売上高の落ち込みを吸収することができなかった。コッシャ社長はこの状況も、「最終章に入ってきている」との見方を示し、今後新製品の上市で「来年には底落ちをし、横ばいになる」と見通した。


現在、パイプラインには、フェーズ2b以降の開発後期に35製品(このうち、オンコロジーが16製品)ある。中でも、フェーズ3段階には次期主力品として期待される慢性心不全治療薬・サクビトリル/バルサルタンがある。オンコロジー領域では免疫チェックポイント阻害薬、遺伝子細胞治療CAR-Tなどに注力しており、革新的な新薬の創出も期待される。コッシャ社長は、乾癬治療薬のコセンティクスを世界に先駆けて日本で上市したことを引き合いに、日本市場に引き続き注力する姿勢を示し、「使命を果たすためにすべてのパイプラインを日本の患者さんに届けていきたいと考えている」と述べた。

 

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