帝人グループ 国内初の全人工手関節の承認取得 リウマチなどで機能不全の手首を代替
公開日時 2016/09/27 03:51
帝人グループで埋め込み型医療機器事業を展開する帝人ナカシマメディカルは9月26日、関節リウマチなどで機能不全に陥った手首関節(手関節)を代替する国内初の全人工手関節「DARTS人工手関節」の製造販売承認を取得したと発表した。早くて2017年春に材料価格(公定価格)が審議・決定される見込みで、価格の決定を経て発売する。
関節リウマチでは、手関節が手指関節に次ぐ好発部位とされる。手関節が高度に破壊され、機能不全に陥った場合は人工関節への置換によって機能回復を図る必要がある。しかし現状は、日本で臨床使用できる人工手関節は存在せず、手術により髄内釘(骨の髄腔内に設置する金属製の固定材)などで固定する以外に方法がない。結果として、手関節が全く動かなくなるなどQOLの低下が余儀なくされている。
今回承認された全人工手関節は、北海道大学大学院医学研究科の三浪明男前教授を主任研究者とする厚生労働科学研究費補助金/免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業「関節リウマチ上肢人工関節研究に関する研究」の成果(2004年~06年)として開発されたもの。掌側と腕側を完全に固定せず、前後に滑らかに動かすことを可能にした。日本で初めて臨床使用できる全人工手関節となる。
なお、同製品を用いた治療ができる医師は、関節リウマチなどによる手関節機能不全に対する十分な知識・経験をもち、関連学会と協力して作成された適正使用指針を順守し、講習を受講して同製品を用いた治療技術を得ることが必要で、このための必要な措置を講じることが承認条件となった。
【おことわり】
帝人から、下線部の「製造販売承認を取得」について、事実誤認があり、現時点では未承認の状況との連絡がありました。現在は9月21日開催の薬食審部会を通過(承認することを了承)の段階です。(9月27日19時)