生化学と小野 開発中の変形性関節症治療薬「SI-613」 を共同開発、販売提携
公開日時 2017/09/08 03:50
生化学工業と小野薬品はこのほど、変形性関節症治療薬として生化学がフェーズ3まで進めている「SI-613」について、日本での共同開発、販売提携に関する契約を締結したと発表した。小野は整形が重点領域の一つで、製品拡充につなげる。生化学は承認申請のめどは開示していないが、小野薬品が販売を単独で行う。
同剤は、生化学が独自の技術でヒアルロン酸と非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)を化学結合した徐放製剤。注射剤として関節腔内に直接投与することから、全身血流への移行が少なく、NSAIDの経口剤や貼付剤と比較し、消化器などへの副作用が軽減されると考えられている。
生化学は現在、日本で変形性関節症を対象としたフェーズ3を実施中であり、膝関節を対象とした検証的試験のほか、今後、他の関節部位(股、足首、肘、肩)を対象とする臨床試験、安全性評価を主目的とする長期投与試験を計画しており、これら結果を踏まえて、承認申請を行う方針。
両社の9月1日の発表によると、契約締結で生化学は、小野から契約一時金として20億円を受領するとともに、今後の開発や販売等の進捗に応じて、複数年にわたり最大で総額100億円のマイルストン型のロイヤルティを受け取る予定。なお、生化学は同剤のグローバル展開を目指す製品として位置付けており、同社によると、米国で膝関節を対象にしたフェーズ2が進行中という。