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大正製薬HD 19年度医薬事業16.5%減収を予想 富山化学品切り離しや長期品落ち込みで

公開日時 2019/05/14 03:50
大正製薬ホールディングス(HD)は5月13日、医療用薬を扱う医薬事業の2020年3月期(19年度)売上高は、富山化学製品の切り離しや長期収載品の落ち込みが主に影響し、18年度実績より16.5%減、680億円になるとの予想を発表した。15年度までは約1100億円あった同事業は立て直しが急務となった。同社は主力品の販売拡大に加え、強みを持つ感染症、中枢神経、整形、代謝領域での後期開発品や製品の導入を急ぐ。

19年度の医薬事業予想では、富士フイルムHD、富山化学との業務提携解消に伴い、19年3月31日に富山化学の製品である抗菌薬のゾシンやオゼックスを切り離したことによる100億円弱の減収が最も大きく影響する。加えて、抗生物質製剤クラリス、末梢循環改善薬パルクスなど長期収載品が押し下げる。

大正製薬・取締役副社長で医薬事業担当の藤田憲一氏は同日の決算説明会で、検討を進める新たなビジネスモデルにより、中期的に1000億円超の回復を目指すと表明した。ビジネスモデルの検討の方向性、内容については明言しなかった。当面は、骨粗鬆症薬・エディロール、SGLT-2阻害薬・ルセフィ、経皮吸収型鎮痛消炎薬・ロコアの販売拡大を図る。併せて、開発品や製品導入を進める。開発品には、フェーズ3に関節リウマチを適応とした新たなタイプの抗TNFα抗体「TS-152」が1品目あるが、現時点では承認申請時期のめどは開示していないという。

◎医薬事業 エリア営業を強化 大正製薬と大正ファーマの新体制で

大正製薬HDの医薬事業は4月から、業務提携解消で、大正製薬が医療用薬を自ら販売するとともに、販促子会社として大正ファーマを発足させる新体制がスタートした。両社に約630人のMRを配置した。大正製薬の藤田副社長は、地域完結型医療に対応するエリア営業の強化が狙いと説明した。

藤田氏によると、大正製薬のMRは主に大学病院と基幹病院を担当し、大正ファーマのMRはエリア担当。これまでの体制だと、地域によって基幹病院に強いところ、エリア担当が強いところとばらつきがあった。地域完結型医療では、基幹的施設を押さえる一方、エリア担当の強化、平準化を図る必要があると判断し、担当の明確化を図った。それにより地域完結型医療に対応する営業展開を期待する。

◎18年度医薬事業は15.3%減収 長期品大幅減 抗菌薬の使用適正化策も背景に

2019年3月期(18年度)の医薬事業実績は、薬価改定と長期収載品の大幅な減少が影響し、前年同期と比べ15.3%減、814億円だった。主要製品では、エディロール、ルセフィ、ロコアの新薬群は伸長したが、抗生物質製剤のゾシンが約4割減、クラリス、パルクスが3割前後の減となるなど、業績に影響した。

連結売上高の約7割を占めるセルフメディケーション事業も主力のリポビタン、リアップの売上が減ったことなどから2.1%の減収となった。18年度連結業績は6.6%の減収、15.6%の営業減益だった。19年度予想は3.1%の減収、13.7%の営業増益を見込む。

【連結実績(前年同期比) 19年度通期予想】
売上高  2615億5100万円(6.6%減) 2535億円(3.1%減)
営業利益312億1100万円(15.6%減)   355億円(13.7%増)
純利益   485億9300万円(53.4%増) 285億円(41.4%減)
 
【主要製品売上(前年同期実績) 19年度予想 、億円】
エディロール 262(254) 277
ボンビバ 64(65)68
ルセフィ 56(50)67
クラリス 53(77)40
ロコア 35(31) 39
ビオフェルミン 39(40)39
ジェニナック 35(44)33
パルクス 35(49)31
ゾシン 61(98)-
オゼックス 28(36)-
 
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